施設園芸におけるスマート農業技術の実証開始

キーワード:環境制御機器
実証ハウス内の様子(写真右側の機器は二酸化炭素発生装置)
実証ハウス内の様子(写真右側の機器は二酸化炭素発生装置)

ホクレンの営農支援の現場からさまざまな取り組みや情報をお届けします。

この記事は2020年6月1日に掲載された情報となります。

Hokuren area Report
営農技術課

 

北海道における施設園芸の高度化
施設園芸高度化イメージ図

近年、農業の省力化や生産管理のデータ化などで注目されているスマート農業ですが、北海道の施設園芸の現場では普及が進んでいないのが現状です。そのため、営農技術課では、複合環境制御技術を活用したミニトマト栽培を行い、生産性向上効果と省力効果の実証を始めます。

複合環境制御とは、温度、湿度、二酸化炭素濃度といった植物の生育に関わる栽培環境を測定し、環境制御機器(自動巻き上げ、二酸化炭素発生装置、ミスト発生装置など)で複合的に制御する技術です。現在、大規模施設園芸での導入がほとんどですが、道内の一般的なパイプハウスでも、各機器の導入や複合管理によって収量性の向上や作業省力化が期待できます。

複合環境制御機器の制御盤
複合環境制御機器の制御盤

実証では、ミニトマトを5月から10月にかけて栽培し、生育、収量、作業量の違いを慣行栽培と比較します。試験ハウスは、センサーで測定した温度、湿度、二酸化炭素濃度、日射量に応じて、側窓・天窓・遮光ネットの開閉、ミストによる加湿、二酸化炭素施用を自動で制御します。

ハウス内環境の最適化や二酸化炭素の施用で光合成を促進することによる収量向上効果、機器の自動化による省力効果を検証する予定です。