2025年 営農のポイント 園芸

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この記事は2025年4月1日に掲載された情報となります。

北海道農政部生産振興局技術普及課普及指導員グループ総括普及指導員 (農業革新支援専門員) 成松靖さん

北海道農政部 生産振興局技術普及課
普及指導員グループ 総括普及指導員
(農業革新支援専門員) 成松 靖さん

 

ポイント
❶【野菜】各種資材を活用した高温対策
❷【野菜】土づくりや畑地かんがいによる雨不足対策
❸【果樹】確実な摘果作業による安定生産
❹【花き】施設と選花場の高温対策、冬季の保温対策
❺  費用をかけずにできる省力化の工夫

 

ポイント❶【野菜】
各種資材を活用した高温対策

ここ数年は高温傾向が続いており、暑熱対策については、さまざまな資材などが導入されてきました。

施設栽培では、メーカー各社より各種資材が販売されており、外張り資材として近赤外線を抑えた遮熱効果のある農P‌Oフィルムや、急激な温度変化を抑える散乱光タイプ農P‌Oフィルムなどが、高温対策として導入されています。

 

写真1遮光ネットの内張カーテン使用事例
写真1.遮光ネットの内張カーテン使用事例。

 

写真2遮光ネットの使用事例
写真2.遮光ネットの使用事例。

 

遮光ネット(写真1・2)は遮光率や軽さなどさまざまな仕様があり、さらに近年ではドローンによって吹き付けできる遮光剤や遮熱剤も導入されています。

また、本州で栽培されている高温に強い品種もありますが、導入の際は地域の適応性を確認して検討してください。

ポイント❷【野菜】
土づくりや畑地かんがいによる雨不足対策

畑地かんがいは、水田地帯において集中管理孔が整備されている圃場があり、玉ねぎやかぼちゃ、はくさいでは地下かんがい利用技術が確立されています(写真3・図1)。

 

写真3集中管理孔
写真3.集中管理孔 詳細はこちら>>

 

図1玉ねぎに対する「地下かんがい判断手法」
図1.玉ねぎに対する「地下かんがい判断手法」。

 

栽培圃場を調べたら設置されていたという例もあるので、転作田の方は今㆒度確認してみましょう。

使用方法については留意すべき点がありますので、平成25年、31年の指導参考事項を参照ください。

また、堆肥等有機物の投入による土づくりで、土壌の物理性を改善することも重要です。

さらに、ゲリラ豪雨などの対策として、サブソイラーなどの補助暗きょを整備し、透排水性を改善することも重要です。

ポイント❸【果樹】
確実な摘果作業による安定生産

りんごは㆒部の品種が隔年結果により昨年は花芽不足となりました。着果過多、高温による樹体への負担が考えられます。

隔年結果防止には早期適正着果、摘果が基本です。適正な摘果作業により、高温・多湿で発生しやすいりんご腐らん病、ぶどう晩腐病(写真4)などの早期発見、予防にもつながります。

 

写真4ぶどう晩腐病
写真4.ぶどう晩腐病

 

摘花剤、摘果剤の利用は省力化を期待できますが、品種、気象条件、樹の状態、処理方法などの影響で効果が変わるため、使い方に慣れる必要があります。

おうとうは昨年、晩霜・開花期の天候不順・訪花昆虫の不足により結実不足が多く見られました。近年、訪花昆虫のマメコバチが減少。

府県からのマユ導入が難しいので飼育環境を改善し、マメコバチを大切に増やしていく必要があります。

また、強風に備えて、開花前に雨よけハウス利用の防風ネットを設置する(写真5)、低温時には人手による人工受粉を多めにするなど、総合的な対策をしましょう。

 

写真5おうとう開花前の防風ネット
写真5.おうとう開花前の防風ネット。

 

ポイント❹【花き】
施設と選花場の高温対策、冬季の保温対策

高温対策は今後も重要課題であり、遮光資材の導入(写真6)は重要です。

 

写真6遮光資材を展張したハウス
写真6.遮光資材を展張したハウス。

 

また、前処理時の選花場の温度や湿度など、採花後の管理にも取り組みが必要です。

十分な前処理スペースの確保、積極的な換気や通風、エアコンの設置など、選花場の環境改善にも留意しましょう。

燃油価格の高騰に伴い、冬季の加温栽培の縮小や作型の変更も見られます。

空気膜二重構造ハウス(写真7)は保温性が高く、構造が簡易で自主施工でき、強風にも強いため、有効な技術と言えます。

 

写真7空気膜二重構造ハウス
写真7.空気膜二重構造ハウス

 

ポイント❺【馬鈴しょ】
費用をかけずにできる省力化の工夫

人手不足が深刻化している中、省力化は避けて通れません。

費用をかけてハード面を導入するだけでなく、費用を極力かけずにできる工夫もあります。

例えばトマト栽培では、株間を広げて栽植本数を減らすことで、1株当たりにかけられる管理時間が増え、同じ面積でも栽植本数が少ない方が、全体の労働時間は減る㆒方、収量は変わらなかったという事例があります。

空間が広がると、風通しが良いので病気が減り、防除しやすいメリットもあり、収益が増えます。

このような省力化の技術について、現場から情報発信をいただき、共有しながら進めていければと思います。