師匠と出会い、年間13万本のユリ農家に

キーワード:ユリ当別町新規就農花き

当別花卉生産組合_副組合長_ユリ農家_齊藤義也

当別花卉生産組合 副組合長
ユリ農家 齊藤 義也

この記事は2025年1月14日に掲載された情報となります。

 

10年近く運送業をやっているうちに、自分から何かを発信するような仕事をしてみたいと農業に関心を持つようになりました。

配達先の農家さんや友人たちに「農家に興味がある」と言ってまわっているときに「じゃあ、休みのときにうちを手伝ってみるか」と声をかけてくれたのが、のちに師匠となる畑清さんでした。

もし畑さんがユリを作付けしていなかったら、今の自分はいなかったはず。本当に出会いに恵まれたスタートだったと実感しています。

当別は北海道一のユリの出荷量を誇る産地であり、畑さんはとても品質の高いものを作っていました。

研修時代のことです。台風に備えて何棟ものビニールハウスを全て丁寧に補強する畑さんが「俺にできることは全部やった。あとは天命を待つだけだ」と言っていた姿は、今も覚えています。

やるもやらないも自分次第なんだと、そのときに教わりました。

また、独立するときにも農家の友人が不要になったハウスを譲ってくれたおかげで、初期投資を低く抑えることができました。

こんなふうに人と人のつながりや助け合いで、ここまでやってこれたという思いがあります。

自分も新規就農希望者の受け入れや栽培マニュアルの刷新などを通じて、新しい担い手を少しでもサポートできたらうれしいです。

ユリの繁忙期は7月から11月まで。それ以外の時期も収入につなげたくて、2020年からうちの子が好きな、いちごの栽培を始めました。

目の肥えたJAの花卉担当者にユリの出来を褒めていただいたときと同じように、いちごも良いものが出来たときは苦労が報われる思いです。これからも自分がやれることはやり、楽しみながら農業に向き合っていきたいです。

 

Profile:1983(昭和58)年、岩見沢市出身。前職は運送業。当別町の花き農家・畑清さんの下で研修し、2015(平成27)年に独立。就農2年目に畑さんから第三者農業経営継承を受け、現在は55棟のハウスでユリを年間13万本栽培。他に露地花き90aや、木苺70a、いちご5a等も栽培。当別花卉生産組合副組合長や北海道農業士としての活躍が認められ、令和5年度新規就農優良農業経営者最優秀賞を受賞。