小豆の生産拡大に向けて新規作付地での栽培試験を継続実施中

小豆収穫物(弟子屈町2020年10月撮影)
写真3. 小豆収穫物(弟子屈町2020年10月撮影)

ホクレンの営農支援の現場からさまざまな取り組みや情報をお届けします。

この記事は2021年8月1日に掲載された情報となります。

Hokuren area Report
北見支所 営農支援室

北海道の小豆は国産の90%以上の高いシェアを占めますが、近年は作付面積が減少傾向にあり、実需者より安定供給のため増反の要望が強くなっています。

オホーツク地区では、「オホーツク農業の振興方策」に掲げる合理的輪作体系の確立において、小豆を含めた豆類の生産振興を目指しています。

オホーツクビーンズファクトリーの原料確保やブランド確立の観点からも、集荷区域内の生産量維持、向上に取り組んでいます。その環として、ホクレン北見支所では、これまで冷涼な気温のため不適地と見られていた地域を含めた複数の新規地で、輪作品目としての小豆の作付けを支援しています(写真1〜3)。

小豆試作圃(弟子屈町 2020年撮影)

小豆試作圃(弟子屈町 2020年撮影)
写真1.小豆試作圃(弟子屈町 2020年撮影)
小豆試作圃(雄武町2020年9月撮影)
写真2.小豆試作圃(雄武町2020年9月撮影)

弟子屈町のJ‌A摩周湖では、農業改良普及センターと連携し、2019年度から実規模での試作と、品種および栽植密度の試験を実施してきました。

早生品種「きたろまん」による安定生産が可能と判断される試作結果が2カ年継続して示され(2020年度の平均収量は10a当たり5.2俵)、プロット試験のデータでは、密植による成熟期の前進はあまり見られなかったものの、倒伏の発生もなく増収の効果が見られました(表1)。

2021年度の生産者は3戸となり作付面積も順調に拡大しつつあります。今後、蓄積したデータを活用して、更なる普及拡大に向け取り組んでいきます。

2020年プロット試験データ抜粋(5月29日播種)
表1. 2020年プロット試験データ抜粋(5月29日播種)