看板商品の「マロニーちゃん」が生まれて半世紀以上。北海道産馬鈴しょのでんぷんを使った麺のおいしさが愛らしい名前とともに日本全国に染みわたり、食卓の人気者へと成長しています。
この記事は2021年2月1日に掲載された情報となります。
マロニー株式会社
営業部 部長代理 野上 忠宏さん
Profile:京都府出身。「マロニーの魅力を全国に広めたい」という熱意で2002年に入社。広報や販売促進も担当。好きなマロニーの調理法は「今、チャプチェにハマっています!」
CMで一躍、全国区
「台本には〝マロニーちゃん〟とは書かれていませんでした」
マロニー株式会社営業部の野上忠宏さんがそう明かしてくれたのは、昭和世代にはおなじみの中村玉緒さんを起用した商品CMのこと。大阪が本社のマロニー人気は関西エリアから始まり、関西人である中村さんがリハーサル中に口にした「マロニーちゃん」という愛らしい響きをそのままCMに採用しました。このことで一躍、全国に知れ渡ることになりました。
1950年にもやし製造業の吉村商店から始まった同社は新たな事業として1961年から「煮崩れしない春雨」マロニーの製造に取り組みます。当初はもやしの原料である緑豆のでんぷんでも試したそうですが、品質を追求した結果「北海道産の馬鈴しょでんぷんを主に、とうもろこしでんぷんと組み合わせるのがベスト!」ということに。ネーミングは〝まろやかに煮える〟特徴を凝縮したカタカナの「マロニー」に決定。1964年の販売開始以来、世代を超えて愛される看板商品に成長しています。
味が染み込むリボン型
マロニーの特長は煮崩れしなくて味染みがいいところ。その秘訣は独自の製造法にありました。一般に春雨はでんぷんと水を混ぜた原料を細かい穴が無数に空いた円筒から糸状に押し出して製造します。一方、マロニーはでんぷんの乳液を一度シート状にして蒸し上げてから細くカットする特別な製法を開発。
「この製法によりカットされた断面の一部が収縮してリボン型になるんです。そうすると表面積が増え、味がより染み込みやすくなるという仕組みです。また蒸したものを冷やす過程で麺の中にできる気泡もばらつきがなく、出汁やスープをたっぷりと吸い込みます」
マロニーが実はリボン型だったことは知らない方も多いのでは。ここで野上さんから驚きの情報が!
「マロニーのロゴをご覧ください。ロの文字の穴の形、実は正方形じゃなくてリボン型なんです」
看板商品に注がれる深い愛情を感じます。
「こうしてマロニーがロングセラー商品となれたのも原材料を安定して供給してくださる北海道の生産者の方々のおかげです。これからも皆さんとの二人三脚でマロニーの可能性を広げていけたら、と考えております」