畑作における高温対策のポイント

圃場をよく見て、病気を見逃さない!

キーワード:気候変動高温高温登熟高温障害
この記事は2024年6月14日に掲載された情報となります。

北海道農政部 生産振興局 技術普及課 主査(普及指導) (農業革新支援専門員) 木村 篤さん

北海道農政部 生産振興局 技術普及課
主査(普及指導) (農業革新支援専門員)
木村 篤さん

 

有効な薬剤を選択し、早めに適正防除を行いましょう。

 

  • Q.高温で発生する病気などの対策は?

  • A.効果が出る薬剤や防除体系が発表されています。

 

小麦の赤さび病の対策としては、道総研農業試験場の研究成果(令和6年指導参考事項)で、有効な薬剤を用いた効果的な防除体系が示されています。過去に病害が発生した地域では、早めに適正防除を行いましょう。

小豆の二次生長に伴う茎水分低下遅滞の対策で、ビーンカッターで刈り倒し乾燥させた後でコンバインで収穫する方法があります(写真1)。

 

写真1.小豆を乾燥させた圃場。遊休ビーンカッターがある方は活用しましょう。
写真1.小豆を乾燥させた圃場。遊休ビーンカッターがある方は活用しましょう。

 

てん菜の褐斑病は、高温多湿で多く発生します。薬剤の効果に差があるため有効な薬剤を選択し、初発を発見したら即防除すると共に、1週間から10日間隔で、その後の防除を行いましょう。来年度以降、抵抗性の強い品種の作付けを検討することも重要です(写真2)。

 

写真2.てん菜褐斑病発生程度の違い。赤線右側は抵抗性品種(2023年10月14日)。
写真2.てん菜褐斑病発生程度の違い。赤線右側は抵抗性品種(2023年10月14日)。

 

小麦の赤さび病対策は、地域によるリスクの高さ、気象条件から判断して薬剤を選択し、早めに2回防除を行うことで高い効果が得られます。この防除体系により、赤かび病との同時防除が可能になります。

 

図1.赤さび病の防除体系
図1.赤さび病の防除体系
※インピルフルキサム水和剤F(ミリオネアフロアブル)、フルキサピロキサド水和剤F(イントレックスフロアブル)、キャプタン・テブコナゾール水和剤(バラライカ水和剤)、プロチオコナゾール水和剤F(プロラインフロアブル)。プロピコナゾール乳剤(チルト乳剤)。