この記事は2018年8月1日に掲載された情報となります。
突然ぎっくり腰に襲われて、農作業が滞ったことはありませんか?JAおとふけでは腰にかかる負担を軽減するアシストスーツを積極的に推進。疲労からくるケガや事故の予防に活用してもらっています。
JAおとふけ 企画振興部
企画振興課 西部 寿哉さん
JAおとふけの組合員 飯崎洋輔さん
音更町万年地区で両親と畑作を営んでいます。
農協主催の勉強会やイベントで組合員にアシストスーツを紹介
JAおとふけでは農作業の負担軽減につながるアシストスーツを積極的に推進しようと、今年の1月から地区ごとの勉強会で組合員に紹介。2月に開催した女性部まつりでは、ホクレン施設資材課のブースを設けて、アシストスーツの展示即売も行いました。
「3種類のアシストスーツを試着してもらったり、重い荷物を持ち上げてもらう体験会も実施したんです。実際に試して、その場で購入してくださった方もいましたよ」と話すのはJAおとふけの西部寿哉さん。JA管内ではこれまで、アシストスーツ3種類合わせて17着が購入されています。
ブロッコリーの収穫作業で使ってみると、疲労感が半減
JAおとふけの組合員、飯崎洋輔さんも今年の春にアシストスーツを購入した一人です。
「青年部の勉強会でアシストスーツを見て興味を持ちました。チラシを家に持って帰ると、母も女性部のイベントで試着をしたらしく『良かった』と言うので、2着注文してみたんです」
農協で紹介された3種類のアシストスーツのうち、飯崎さんが選んだのは「ラクニエ」。ゴムの力を利用する、シンプルでコンパクトなモデルです。
「父と母で使えるように2着購入したんですが、試しに自分でも着けてみたら確かに作業がラク。ブロッコリーの収穫の時に使うと、疲労感が半分くらいまで軽減されるような気がします」
特に助かるのが、上半身を折り曲げてブロッコリーを切り倒す作業と、コンテナを地面からトラックに積み込む作業の時だそう。途中で背筋を伸ばして腰をトントンしたり、休憩したりすることも減りました。
疲労からくるケガや事故を未然に防ぐために
22歳で就農して、現在32歳の飯崎さん。これまで10年間に何度もケガをしたことがあるそうです。
「作業の疲れから、トラクターでウトウトしてヒヤッとしたこともあれば、コンバインのギザギザしたところに、すねをぶつけて何針も縫ったこともあります。今年の春は作業機にぶつけて尾てい骨を骨折しました。ビートポットをつくるのに機械を並べる作業をしていて、腰にピキッと電気が走った時は『やってしまったか』と思ったんですが、整体でなんとか回復しました」
繁忙期、病院や整体に通う時間を考えれば、ケガや身体の故障はできれば未然に防ぎたいもの。作業負担の軽減だけでなく、身体を守る意味でもアシストスーツは有効だといえるでしょう。
「うちではやっていませんが、カボチャの収穫や長いもの泥落としにも役立つはず。前屈姿勢が多いなら、使って損はないと思います」と飯崎さん。若いうちは体力を過信してついムリをしがちですが、腰に負担がかかって痛める可能性も。元気で長く働くためには、早いうちからアシストスーツなどで身体を守るよう心がけたいものです。
リスク回避のワンポイント情報2
準備運動
準備体操には関節の動きを滑らかにし、筋肉を最良の状態にする効果があります。農作業前に準備体操をすると、ケガや腰痛のリスクを軽減できます。
状態を把握
アシストスーツを着用しても、自分が持てる以上の力を発揮することはできません。大切なのは自分の体の状態を日々把握しておくこと。
定期健康診断の受診はもちろん、簡単にできる「閉眼片足立ち」で自分の体の調子を把握しておきましょう。
チェック
閉眼片足立ちテストで、体幹の強さを測ることができます。眼を閉じた状態で片足を上げ、何秒間保持できるかを計測します。国立長寿医療研究センターによる推定年代別の数値は以下のとおりです。
●70 秒以上 体幹年齢20 代
●55〜69 秒 体幹年齢30 代
●40〜54 秒 体幹年齢40 代
●20〜39 秒 体幹年齢50 代
●10〜19 秒 体幹年齢60 代
●5〜9 秒 体幹年齢70 代
●4 秒未満 体幹年齢80 代