数ある北海道銘菓の中でも圧倒的な知名度とおいしさを誇る「白い恋人」。1976年の誕生以来、変わることのない「白い恋人」クオリティーは、北海道産の原材料に支えられています。
この記事は2021年12月1日に掲載された情報となります。
石屋製菓株式会社
製造部 白い恋人課 課長 竹村 佳奈さん
Profile:札幌市出身。高校卒業後、「お菓子作りが好きで」2003年石屋製菓株式会社入社。製造畑一筋で、2019年から現職。「『白い恋人』の次は『なまらバターバウムTSUMUGI』が好きです」

総勢80名の白い恋人課
今回取材に応じてくれたのは、石屋製菓株式会社製造部の中でも最も大所帯と言われる「白い恋人課」の竹村佳奈課長です。
「私たちの課はその名前の通り、『白い恋人』を専門に作る部署です。スタッフは総勢80名で、一つの製造ラインで作られる枚数は一日で約8万枚。フル稼働の時は六つのラインを同時に動かしています」と自己紹介してくれました。
戦後の1947年に創業した石屋製菓は翌年からドロップ製造を開始。高度経済成長期の発展とともに高級洋菓子路線を追求し、1976年には看板商品である「白い恋人」が誕生。その背景には当時札幌で起きていたホワイトチョコレートブームがあったと同社の記録に残されています。
「フランスの伝統的な焼き菓子であるラング・ド・シャでホワイトチョコをはさみ、〝手を汚さずに食べられるチョコレート菓子〟として売り出しました」
あまりにも有名な商品名は創業者である石水幸安氏が雪のことを「白い恋人たちが降ってきた」と表現したのが由来。この詩情あふれるネーミングが、今では北海道銘菓の代名詞のように広く知られるところとなりました。

道産素材を使える幸せ
発売から半世紀近くにわたり支持されるのは、やはり誰もが納得できるおいしさがあればこそ。
「『白い恋人』は小麦、生クリーム、砂糖に北海道産を使用。卵と全粉乳は北海道産と北海道産以外を併用しています。全国から信頼を集める道産の原材料を当たり前のように使わせてもらえる幸せな環境は、地元企業の大きな強み。生産者の皆さんが作ってくださった材料を存分に生かすため、私たちも徹底した品質管理で〝変わらないおいしさ〟をお届けできるように努めています」
2020年からは生産者の皆さんの苦労や原材料の生産過程を学ぶため、若手や中堅社員が交代で農業研修に参加(写真2)。
「農家さんから学んできた再生エネルギーの取り組みを当社でも応用できないか、という意欲的な声も挙がっています」
生産現場から持ち帰った思いや学びが反映され、生産者と心を一つにした菓子づくりが、「白い恋人」人気を更に揺るがぬものにしています。