クロスブリーディングの取り組み経過 ~体測データ推移と平均初産乳量~

キーワード:クロスブリード
分娩前のF1種(MO×HO)
写真1.分娩前のF1種(MO×HO)
この記事は2021年8月1日に掲載された情報となります。

ホクレン 訓子府実証農場 畜産技術課

F1種雌の体重・体高推移

ホクレン訓子府実証農場では、関係機関と連携し乳牛の長命連産性改善を目的としてクロスブリーディングの実証に取り組んでいます。ホルスタイン(H‌O)種雌にモンベリアード(M‌O)種精液を交配したF₁種(M‌O×H‌O)、更に、F₁種にカナディアンエアシャー種を交配した三元交配種を飼養しています。

分娩後のF1種(MO×HO)
写真2.分娩後のF1種(MO×HO)

農場内の育成牛は定期的に体重と体高を測定しており、F₁種未経産牛の体重はH‌O種よりやや重いものの体高は低く推移しています(図1)。F₁種はH‌O種より太りやすいことが推察できます。

HO種およびMO×HO種の体重・体高推移
図1.HO種およびMO×HO種の体重・体高推移

牛群検定による初産成績を比較

また、F₁種初産牛(n=21頭)、H‌O種初産牛(n=46頭)の牛群検定における乳量推移から(図2)、F₁種はH‌O種と比べ大きな差はありませんでした。更に、F₁種の平均体細胞数は低く推移し(図3)、H‌O種のうち乳房炎治療を行った牛は6頭でしたが、F₁種は今のところ治療した牛はいません。F₁種は太りやすいものの疾病リスクが低い可能性があります。

平均乳量(HO種初産牛およびMO×HO種初産牛における毎月の牛群検定時)
図2.平均乳量(HO種初産牛およびMO×HO種初産牛における毎月の牛群検定時) 注)標準偏差は個体乳量のばらつきを示す。
平均体細胞数(HO種初産牛およびMO×HO種初産牛における毎月の牛群検定時)
図3.平均体細胞数(HO種初産牛およびMO×HO種初産牛における毎月の牛群検定時)

今後も引き続き、交配種の生産性調査を行っていきます。