酪農現場において、乳牛が寝起きする牛床環境は、牛の快適性(カウコンフォート)向上を目指すうえで非常に重要です。
快適な牛床環境は、衛生環境の改善や、肢への負担軽減に役立ちます。また、寝起き行動がスムーズに行われると、横臥(おうが)時間が長くなり、生産性の向上につながります。
この記事は2022年10月1日に掲載された情報となります。
ホクレン畜産生産部 飼料推進課
ご紹介する牛床マット「ボビレックス」(製造元REXLAN EUROPE社〈デンマーク〉)は以下の四つの効果により、生産性の向上をサポートします。
①衝撃吸収力とアンチスリップ効果
ボビレックスは、牛が寝起きする時の肢への衝撃を吸収します。柔軟性があり、牛の体重で程良く沈むため起立しやすく、良好なフットホールドを形成します。
また、牛がマット上で滑ることへの恐怖心が無くなることで、飛節(後肢の関節)の損傷や蹄病(ていびょう)、乳房損傷の減少が期待できます。
②耐衝撃性と保温効果
ボビレックスは80%以上のエアーを含み、適度な硬さとクッション性があります。
また、マット内に水や外気が入らず、つぶれにくい独立気泡で発泡させているため、長期間耐久性を損なわずに耐衝撃性や保温効果が高まります。
③容易な作業性を考慮
ボビレックスは、容易に持ち上げられる重さ(1枚当たり16㎏)であることやカッターナイフでサイズ加工できるため、新規取り付けや交換作業などの施工性に優れています。
取り付けで特徴的なのは、マットとマットの間にプラスチック製の部品「プラスチックマウントバー(写真4)」を使用することです。マウントバーはアンカーボルトで固定するため、ワラやオガコなどの敷料クズがマットの下に入りにくくなります。
④衛生効果
ボビレックスのマット表面には撥水(はっすい)性があり水分を吸収しないため、表面を清潔に保ちます。
また、マット裏側にある多くの突起により、裏側の通気性を確保。更に、蹄がマウントバーに引っかかることでスリップする危険度が下がり、斜めに寝ることが少なくなります。
ボビレックスにご興味のある方はお近くのJAまたはホクレン各支所酪農畜産課/畜産生産課までお問い合わせください。