2月から始めているロボットでの搾乳。今回は導入の課題や搾乳の工程を紹介します。
この記事は2022年6月1日に掲載された情報となります。
ホクレン訓子府実証農場 畜産技術課
タイストール牛舎の搾乳作業省力化に向け導入
タイストール(つなぎ)牛舎で営農を継続していくには、作業の省力化が課題となっており、解決策の一つとしてタイストール用搾乳ロボットが注目されています。そこで、その有用性の検証や、生産者の研修の場としての活用を目的に、訓子府実証農場のタイストール牛舎に搾乳ロボットを導入しました。
過搾乳を軽減できる
タイストール用の搾乳ロボットはフリーストール用のものとは異なり、搾乳ロボットが牛のところまで行き搾乳を開始します。搾乳対象牛の近くまでロボットが進むと、アームで牛をロボット内に引き寄せ、乳頭を洗浄した後、自動でユニットを装着し搾乳を開始します。乳房ごとに乳が出なくなると1本ずつユニットを離脱させるため、過搾乳の軽減につながることが期待されています。
冬期間の凍結対策が課題
当農場では、昨年12月にロボット導入し、今年1月からロボットによる搾乳を試験的に開始しましたが、洗浄ラインやディッピング液の凍結といった寒冷地特有のトラブルにより、自動運転による本稼働は遅れてしまいました。これらへの対策を施した後、2月に自動運転に切り替え、搾乳を実施しています。
現在(5月上旬)は9頭を搾乳しています。乳量は平均49.0kg(搾乳日数118日)で推移しています。乳成分や乳質には現在のところ大きな影響は出ていませんが、今後の変化を注視しています。
また、作業の省力化についても、さまざまな角度から検証していきます。
視察研修を受け入れします
今後、当農場では操作マニュアルの作成や導入に向けた研修会などを取扱業者と連携し取り進めていく予定です。視察、研修を積極的に受け入れしていますので、ご興味のある方は、ホクレン各支所営農支援室にお問い合わせください。