CASE STUDY 01
有限会社ウエストベース(圃場部長:佐藤圭一氏)

よく食べるサイレージを目指して

キーワード:TMRセンターオーチャードグラスサイレージチモシー子実とうもろこし自給飼料飼料用トウモロコシ
この記事は2026年3月2日に掲載された情報となります。

有限会社ウエストベース

有限会社ウエストベース
(圃場部長:佐藤圭一氏)(JA道東あさひ)

●DATA
構成員数:13戸
常時搾乳頭数:2,500頭程度
草地面積:1,000ha超
飼料用トウモロコシ面積:400ha程度
バンカーサイロの大きさ:15m×75m×2.4m 14基、15m×50m×2.4m 10基

 

  • 今の収穫体系になった経緯は?

●数年前、構成員から「TMRを全然食わない」という声が噴出。乾物摂取量が落ち、それに伴って乳量も減少しました。
●それをきっかけに、サイレージ調製、TMR製造、配送体系を一から見直しました。
●「発酵品質の良いサイレージをつくろう」「そのためにしっかり踏圧しよう」を合言葉に調製作業の見直しを図りました。
●作業はコントラに委託していますが、圃場部長自ら踏圧を担い(令和6年まで)、現在の体系を構築しています。

 

今の収穫体系になった経緯は

 

  • 収穫体系の全体像を教えてください

●1番草の収穫面積はきざみサイレージとロールサイレージあわせて約1,000haあります。きざみサイレージは約12,000t分をバンカー10基に詰めています。
●1本のバンカーに対して密閉作業まで終わらせるには2日以上の連続した晴天が必要です。
●モアコン、ハーベスター、ダンプのセットを2組動かし、タイヤショベル3台で踏圧をしています。
●圃場部長が収穫するしないを判断。複数の天気予報アプリを駆使し、どの圃場を収穫するか、どのバンカーに詰め込むかを決定しています。
●委託先のコントラはウエストベースの作業を主体としており、作業体系や日程の変更に柔軟に対応していただいています。
●作業の進捗状況を「見える化」するため、レポサクを導入。これにより「どの圃場」で「どの程度収穫が進んでいる」か「ダンプ何台分搬入したか(十分踏圧できているか)」をリアルタイムでモニタリングすることが可能となりました。

 

レポサク

 

  • 踏圧のポイントを教えてください

①踏圧時間について
●1基のバンカーに対して、3台のタイヤショベルで踏圧をかけ、1時間当たりダンプ20台の搬入を基準としています。

 

3台のタイヤショベルで踏圧

 

●ダンプの積載量や作業者の熟練度によって変わりますが、1台のダンプに対して概ね9分間で踏圧することとなります。
●バンカーにダンプが多く来たとしても、踏圧作業者が十分に踏めたと判断するまでダンプを入れないようにしています。

 

ダンプが待っている様子
ダンプが待っている様子

 

●2セットのハーベスターで、近場の圃場と遠方の圃場に分けて収穫作業を実施しています。作業中もバンカーへ来るダンプの台数が多いようであればダンプの台数を減らし、逆に少ないようであればダンプの割り振りを変えるといった調整をします。
●1時間に20台、という基準に近づくように踏圧時間を確保することが重要です。時間や費用がかかっても良質なサイレージができれば、乳量や最終的な利益につながっていくと感じています。

 

タイヤショベル3台で踏む様子
タイヤショベル3台で踏む様子

 

収穫の様子(上空から)

 

収穫の様子(地上から)

 

②踏み方について
●踏圧をかけるポイントは「ゆっくり走る」ことです。原料草を広げるときも、踏み込むときもゆっくり。
●スロープを緩やかな勾配にすることで、ショベルの自重を効率的にかけることができます。
●前進時は原料草は外に広がり、後進時は内に入ってくる挙動をします。前進と後進でタイヤの位置を少しずつずらして踏み込むことで表面の凹凸を減らしながら形成できます。
●バンカーの端を踏む際は、動いて止まってを繰り返すことで、より締め込めます。

 

草地への春の作業について

 

③切断長や水分条件について
●1番草の収穫に必要な期間は1カ月程度。
●牧草の生育が進むにつれて牛の消化性と採食性が下がっていくことや、水分も低くなり踏圧がかかりにくくなるため、切断長を調整しています。6月上旬のスタート直後の切断長は11mm、中旬頃から9mm、7月に入る頃には7mmとすることを基本設定としています。

 

切断長や水分条件について

 

●パーティクルセパレーターを使用して、現在の設定で極端な長さのものがないか、設定を調整しています。
●ウエストベースでは、理想とする原料草の水分は75%と考えています。

 

パーティクルセパレーターで短すぎるものや長すぎるものが無いかを確認
パーティクルセパレーターで短すぎるものや長すぎるものが無いかを確認

 

  • その他のポイントも教えてください

①草地への春の作業について
●霧雨(ジリ)もあり、地区の気候的に原料草の水分が高い状態での収穫になることが多くなります。
●スラリーの散布は、硝酸態窒素の観点や、原料草への付着リスクを軽減するため、春は草地ではなくトウモロコシ圃場へ散布しています。
●トウモロコシの作付面積は、構成員のスラリーの量から算出しています。

 

草地への春の作業について

 

②収穫に関して
●収穫時期が1カ月程度あるので、チモシーは早生から晩生まで栽培しています。
●リードカナリーグラスは早く刈れば他草種と同程度の量を食べることができるため、割合が高まってきた圃場は刈り取り順番を前倒します。
●シバムギは早く刈っても嗜好性は大きく変わらないため、刈り取り順は変更しません。
●リードカナリーグラスが増えた草地が多くなると早刈りが必要な草地の割合が高くなってしまいます。そのため順次草地を更新し、適期収穫ができるように圃場管理をしています。
●刈り取り高さはモアコンに下駄をはかせて15cmに設定しています。収量は少なくなるものの、草地面積に余力があるので栄養価の面から高刈りしています。

 

収穫に関して

 

  • できたサイレージの使い方は?

●二次発酵リスクが低い冬季に全バンカーのサイレージをシートの上からサンプリングして、発酵品質と栄養価の良し悪しを評価しています。
●分析値をもとに、飼料設計の担当者とバンカーの使用計画を立てています。
●例えば、令和6年産の高水分で不良発酵サイレージは、発酵品質が良好で、かつ低水分なサイレージと混ぜて給与しました。
●発酵品質も栄養価も良好なサイレージは暑熱期に給与しました。

 

できたサイレージの使い方は?

 

※掲載ノウハウは個人の見解に基づくもので一般に該当しないケースもあります。