北海道ホルスタイン改良協議会
会長 𠮷田 智貴(JA上士幌町)
この記事は2025年10月20日に掲載された情報となります。
小さい頃、体が弱くて外で遊べず、ずっと牛舎を眺めていたので牛が大好きになりました。
初めて共進会で牛を引いたのは小学2年生の時で、とても楽しかったのと2位で悔しかったのを覚えています。就農してからは、ほぼ毎年共進会に出場しています。
共進会は競技だけでなく「つながり」の場でもあります。
全国の出品者をはじめ、若い酪農家、メーカーや消費者などさまざまな人と出会いがあり、仲間づくりや情報交換を通してどんどん世界が広がっていきます。
今、うちの牧場が取り組んでいるのが、牛の「幅」を出すこと。
見た目の美しさもさることながら、おいしい牛乳を出す大きく張った乳房を支えるには、しっかりとした骨格や筋肉、強い心肺機能などが重要。健康で丈夫な母体を目指して改良を進め、少しずつ目標に近づいています。
また、大会に出場する牛の調整は特に行わず、どの牛も分け隔てなく世話をしています。みんな大切な家族、きれいでいてほしいし、きれいにしたい。
きちんと世話をすれば、ちゃんと応えてくれるのも牛の魅力。さすがに、大会前は夜中に洗ったり、毛刈りしたりもしていますが(笑)。
10月25、26日に安平町早来の北海道ホルスタイン共進会場で「第16回全日本ホルスタイン共進会」が開かれます。
10年振りの開催となり、それぞれの思いを持った約400頭のホルスタインが参加します(一般の方も見学可能)。
うちも8頭が予選に出場します。勝負はもちろんですが、どんな出会いがあるのかも楽しみの一つです。
大好きな牛とともに愛称の「ハッピー(𠮷田の𠮷)ライン(畦道=畑をつなぐ)」のように、良い縁がつながると信じています。
そして、この楽しさを次の世代につなげるバトンの役目を果たせたらうれしいです。
Profile:Profile:1979(昭和54)年生まれ。上士幌町出身。福島県から入植した5代目。家族は妻と一男一女、父母。帯広農業高校から酪農学園大学短期大学部に進み、2000年に父親の経営する𠮷田牧場に後継者として就農。現在は、ホルスタイン約200頭(うち経産牛110頭)をつなぎ牛舎で飼育、共進会では「ハッピーライン」の愛称で知られている。2025年2月に北海道ホルスタイン改良協議会会長に就任、共進会の審査員も務め、実習生の受け入れや若手への指導も積極的に行っている。
「全日本ホルスタイン共進会」とは
乳用牛の資質の向上と改良繁殖を推進し、酪農の安定的発展を目的に各都道府県代表牛を一堂に集め、5年ごとに開催。 「乳牛の美人コンテスト」「乳牛のオリンピック」とも称される。
※新型コロナウイルスの影響で前回大会は中止。