この記事は2024年7月19日に掲載された情報となります。
橋本酪農畜産推進課長
(JA道央)
2023年に【「農家所得の増大」への具体的な実践計画(見える化アクションプログラム)】がスタートし、その一環として飼料・資材費増大への対策として良品質な自給飼料の確保・増産に向けた取り組みを開始。昨年は植生調査を実施。普及センター・ホクレン・JAで、管内の酪農家が所有する圃場を中心に585筆、1789haの植生を調査した。
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植生調査の結果は?
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難防除雑草が多い傾向です
●牧草割合は平均して56.8%。雑草割合は33.7%と2014年の調査データ(道央・胆振)より12%多く、植生状況は悪くなっているのが分かりました。
●地域によって異なりますが、シバムギやリードカナリーグラスに加えて、メドウフォックステイルやハルガヤなどの強害雑草が多い結果でした。
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生産者へのフィードバックは?
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直接お伝えしています
●調査結果は2023年11月に対象生産者へ直接訪問して植生状況をお伝えし、雑草・裸地の割合が高い牧草地について、対応を協議しました。
●一通り作業できる機械を保有する生産者が多く自力更新も可能ですが、高コストが草地更新の制限要因だったため国費事業の活用を提案しました。
●草地の状況や作業体系に応じてチモシーからオーチャードグラスへの切替提案(早刈推進)やマメ科牧草導入により増収・栄養バランスの向上を図っています。また、栽培が可能な圃場ではサイレージ用トウモロコシへの転換も提案しています。
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植生調査に対する生産者の反応は?
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自給飼料について考えるきっかけになったと思います
●対象生産者に植生割合を数値でフィードバックする事で牧草更新のきっかけになりました。また、生産者が状況を再認識し良品質粗飼料の確保に向けて検討材料になったと思います。
取り組みの成果
●草地更新時の自給飼料確保量と資材価格高騰の影響もあることから、生産者個々の状況の違いもありますが、定期的な草地更新を引き続き促進していきたいと思っています。
●草地更新をすることにより、当年の自給飼料不足が問題となる場合があります。その対策として、「地域内で調整」を検討しています。
●JAで実施しているアンケート調査を基に余力がある生産者と足りない生産者をマッチングさせることができないか今年から検討しています。