CASE STUDY 03
的場牧場(JAうらほろ)

継続した草地更新で採食性を向上

キーワード:牧草地牧草生産草地更新
この記事は2024年7月19日に掲載された情報となります。

的場牧場(JAうらほろ)

的場牧場
(JAうらほろ)

●DATA
経産牛頭数:搾乳140頭
草地面積:75ha 1番草は50本程度乾乳用に乾草、2番草は育成用にロールを少し、残りキザミ
飼料用トウモロコシ面積:35ha
自力更新時の機械:プラウ、ディスクハロー、パワーハロー、ケンブリッジローラ、ブリリオン、ブロキャス(自前)

 

  • 草地更新のペースは?

圃場の数は17筆あり、毎年1筆、5ha程度を自力更新しています。更新の判断基準は収量性の低下状況です。

 

  • 草地更新時に大事にしている点は?

  • サイレージ用トウモロコシと草地をローテーションさせています

●草地から草地もありますが、基本的にサイレージ用トウモロコシを2〜3年栽培した後に草地にしています。

●サイレージ用トウモロコシ栽培後はきれいな草地ができあがると実感しています。

 

ローテーション

 

  • マメ科を導入し、維持できるよう管理しています

●チモシーに、アカクローバ、シロクローバ、アルファルファを混ぜて播種しています。播種量は25kg/ha程度。割合は年や圃場によって毎年変えています。

●チモシーは早生を利用してきましたが、年3回刈りを徹底しているため、今後は極早生も利用する予定です。

●マメ科割合に合わせて窒素施肥量を調整しているので、更新4年目の草地でも十分なマメ科牧草が生育しています。また、肥料代の節約にもなっています。

●サイレージの分析や土壌分析の結果を見ながら、苦土炭カルを入れたり、リンやカリの施用量を調整しています。

 

  • 夏播種をメインにしています

●草地更新は1番草収穫後に行っています。

●6月10日過ぎには収穫が終わっているので、約40日間放置して、7/20頃に前植生処理を実施。枯殺後に堆肥を散布し、耕起または表層攪拌しています(傾斜地ならディスク、平地ならプラウ)。その後、パワーハローで整地し鎮圧。後に、ブリリオンで播種をします。

●播種は8月下旬から9月上旬頃です。

●以前は春更新を実施していましたが、浦幌は春に雨や風が多い地域。種や表土が飛んだり、雨で土壌表面がクラスト化で硬くなるなど、うまくいかないこともあって、現在は夏播種主体に移行しています。

 

4年目の草地(クローバ類が残っている)
▲4年目の草地(クローバ類が残っている)

 

取り組みの成果

●草地更新をすることで量も質も伴った良い粗飼料が得られると実感しています。良質な自給粗飼料があれば、それだけで乾物摂取量を確保でき、購入飼料費、ひいては1頭あたりの飼養コストを削減することができます。

●牛が食べてくれれば、乳量も自然とついてきます。また粗飼料割合が高いことで、家畜の疾病も減少してきていると感じています。

●更新は大変な作業ではありますが、すべて良い方向に影響すると考えています。

 

※掲載ノウハウは個人の見解に基づくもので一般に該当しないケースもあります。