畜産における高温対策のポイント

牛が快適に食べ、飲み、寝られる環境を!

キーワード:気候変動高温高温登熟高温障害
この記事は2024年6月19日に掲載された情報となります。

北海道農政部 生産振興局 技術普及課 総括普及指導員(農業革新支援専門員) 長井 淳一さん

北海道農政部 生産振興局 技術普及課
総括普及指導員(農業革新支援専門員)
長井 淳一さん

 

温度を下げて十分な飲み水を確保し、ストレスを減らしましょう。

 

  • Q.牛舎の高温対策で気をつけるポイントは?

  • A.細霧冷房や送風機、換気などで温度、湿度を下げることです。

 

牛のストレスを減らし、快適に食べて、飲んで、寝られる環境を作りましょう。牛舎の高温対策として、気化熱を利用した細霧冷房(写真1)が導入されています。

 

写真1.ミスト機を利用した細霧冷房と送風機を導入した牛舎。
写真1.ミスト機を利用した細霧冷房と送風機を導入した牛舎。

 

また、送風機で1mの風を送ると体感温度は6℃下がると言われています。牛舎内に風がまんべんなく流れるよう、機数や方向を調整しましょう。つなぎ牛舎では、トンネル換気(写真2)などで外気を取り入れて湿度を下げることが重要です。屋根に水をかける方法も牛舎内の温度を下げる効果が高いです。

 

写真2.トンネル換気。
写真2.トンネル換気。

 

飼料作物の熟期が早まる傾向にあります。収穫を他の作業と調整するのは容易ではありませんが、早めの収穫を見込んだ計画が必要です(写真3)。

 

写真3.前倒し収穫作業。
写真3.前倒し収穫作業。

 

つなぎ牛舎で牛の飲水量を十分に確保するには、水道配管を太くするのが効果的です。配管が細いと牛が飲むスピードに給水が追いつきません。また、ウォーターカップなどが汚れていると牛が水を飲まなくなるので、常にきれいに清掃しましょう。

 

つなぎ牛舎で牛の飲水量

つなぎ牛舎で牛の飲水量2