CASE STUDY 04
JA釧路太田(畜産施設課)

コントラ業者と農家間のクッション役でより良いサイレージへ

キーワード:サイレージ牧草牧草生産自給飼料飼料
この記事は2024年5月27日に掲載された情報となります。

JA釧路太田

JA釧路太田
(畜産施設課)


●DATA
JAコントラ事業内容:地元および管内の運送会社、土木会社5社にオペレータを依頼し、最大6班体制で収穫
2023年収穫
●1番草:2,424ha(キザミ)44戸
●2番草:1,350ha(キザミ)33戸
●飼料用トウモロコシ:400ha
※牧草はキザミと並行してロールも約10,000個収穫

 

  • よりよいサイレージ調製のために重視している取り組みとは?

  • 作業前の確認!

●作業前にミーティングを実施し、その日収穫する圃場や草の状況、作業の注意点などの確認を行います。

●作業は、朝露による影響を懸念し、露が抜ける時間からとしています。

 

写真1.使用するハーベスタ
写真1.使用するハーベスタ

 

●本格稼働前に試験運行し、パーティクルセパレーターを使って切断長を確認。

 

  • バンカー詰込み時の踏圧を重要視しています

●オペレータに踏み方等を指導(普及センター作成の動画・マニュアル・現地でも助言)。

●「ハーベスタを止めたくないが、ハーベスタの性能が上がっているので、収穫物の運搬が早く、踏圧が追いつかない」というジレンマを収穫現場では抱えています。

その中で可能な限り踏圧する時間を保てるよう、ダンプの台数などを調整しています。また、可能な場合は2本詰めを行っています。

●きちんと踏圧ができるよう、バンカーサイロであれば壁の高さより盛らず、スタックサイロでは8m以上の幅で作るよう指導しています。

●オペレータには詰込み時のpH調整をしてもらっています。草地の経年数などで水分が異なりますので、現地にてpHを計測しギ酸添加量等を決めています。

 

  • 毎年調査とフィードバックを続けています

●12月にJA管内全戸のサイレージを調査しています(2023年のサンプル数:1番草61点、2番草28点、飼料用トウモロコシ19点)。

調査項目は、サイレージの温度、密度、カビや変色の有無、取り出し状況等。サンプルを採取して粗飼料分析による飼料成分も調査しています。

 

写真2.昨年の実際の調査表
写真2.昨年の実際の調査表

 

●壁際が踏めていないことによる影響は大きいと考え、バンカーサイロの温度や密度は中心部だけでなく壁際も別にチェックしています。

●調査結果は1月の営農計画時に農家さんにフィードバックしています。農家さんから出た要望はオペレータ等につないでいます。

●農協広報誌で調査結果の概要を報告し、その年の傾向と対策について考える機会にもなっています。

 

新しい取り組み

●令和3年より収穫に携わる全車両に作業全体の細かな進捗状況をリアルタイムに把握できる農作業支援システム(レポサク)を導入。作業の進行状況がすぐわかるため効率的な作業が可能となりました。無駄な動きがない分、予乾もしやすくなりました。人手不足や2024年問題といった労働力に関する課題が多い中、有用なツールです。

●過去より、農協でも地域の草地を一部管理して収穫しており(2024年5月現在、草地利用組合で440ha、農協所有草地で310ha)、生産者への供給は収穫前に圃場の配分を決めて行っています。近年では、草地更新も行い農地を有効的に活用しています。

 

※掲載ノウハウは個別事例に基づくもので一般に該当しないケースもあります。