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青年部に恩返し、全国の盟友と心一つに

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青年部に恩返し、全国の盟友と心一つに

北海道農協青年部協議会
会長 遠藤 洋志さん(JA中標津)

 

Profile:1980(昭和55)年、中標津町出身。1915(大正4)年に岐阜県から入植した遠藤牧場の5代目。別海高校農業特別専攻科を卒業後、実家に就農。フリーストールとパイプライン搾乳を活用し、約120頭の乳牛を飼育。年間出荷乳量約400トン。JA中標津青年部に入部後、根室地区農協青年部連絡協議会会長、北海道農協青年部協議会副会長を経て、2023年(令和5)年から現職に就任。

 

この記事は2023年8月1日に掲載された情報となります。

 

幼い頃から遊び感覚で親父の手伝いをしていたので、ごく自然にこの道に進みました。地域全体の慢性的な人手不足を解消するために、酪農ヘルパーの人材派遣会社もやっています。子どもの頃は遊び半分でやっていた農業も、経営者目線での営農となると、やはり悩みは尽きません。

ここ数年で言うと、社会的にはコロナ禍での牛乳消費量の減少が大きく取り上げられましたが、僕たちにとって生乳の在庫量の増加は長年の課題であり、それがコロナで更に拍車がかかったようなもの。今後は、消費者の皆さんに「農業王国である北海道の農業を応援することが、日本経済の基盤を支えることになる」と理解していただけるように、生産者が今まで以上に積極的に声をあげていく必要性を実感しています。

僕が現職を拝命した最大の動機は、これまで心身ともに色々な局面で助けていただいた青年部に恩返しがしたかった、その念です。酪農に限らず、米や畑作などの生産者が抱えるそれぞれの課題解決に役立てるよう、精杯努めていきたいです。

幸い、今年度から全国農協青年組織協議会の新会長に、JA北いしかり青年部の稲村政崇さんが就任されました。同じ道産子として非常に頼もしい人選であり、全国5万人の青年部の盟友たちが心をつにすれば、国も動かすような大きなうねりが作れるはず。皆でタッグを組んで、若い生産者が笑顔で営農していける環境を作っていきたいと考えています。

長い目で見ると、農業とは、「未来を担う子どもたちから土地を借りている」ようなもの。その子どもたちにおいしくて安全な北海道の農畜産物をいっぱい食べて、元気に育ってもらいたいです。