手軽なおやつやおつまみとしてもおなじみの「雪印北海道100 さけるチーズ」。北海道産生乳100%で作られている「雪印北海道100さけるチーズ」は誕生から40年以上売れ続けているロングセラー商品です。
新たな消費に向けての展開を、雪印メグミルク株式会社の増田課長と中村課長にお聞きしました。
この記事は2023年6月1日に掲載された情報となります。
乳食品事業部 チーズグループ課長
増田 圭司さん(右)
生産部 乳食品技術グループ課長
中村 晃一郎さん(左)
小さな発見を見逃さず素早く商品化を実現
「実は“さけるチーズ”は、偶然生まれた商品なんです」と話すのは、乳食品事業部 チーズグループの増田課長。1979年に山梨県の小淵沢研究所でナチュラルチーズを研究・製造している研究員たちが、余ったカード※でモッツァレラチーズを試作。伸ばしてたたむ過程でチーズが「さける」ことに気付きました。“細くさけて面白い・クセが少なくて食べやすい”という特長を見逃さず、新商品の開発に動きだしたそうです。
※凝乳からホエイを一部除いたもの
「まず、首都圏限定で発売。お客さまから“さいて食べる面白さ・独特の新食感”などの好評をいただき、翌年には生産拠点を北海道の大樹工場に移して量産設備を導入し“ストリングチーズ”という名前で全国発売しました。1995年に“さけるチーズ”に名前を変更。特長を端的に表しているので、名称変更後もお客さまにはすぐに受け入れていただけました」
技術者がつなぎ続けてきた極秘の大量製造方法
大樹工場は2023年7月から、さけるチーズ増産に向けて生産ラインを増設。生産部 乳食品技術グループの中村課長は「コロナ禍で家庭用チーズの需要が増加したことや今後の市場拡大を見据えて増産体制を整える予定です」
独特の食感を生み出す製造工程についてはトップシークレット。「工場内での工程を見ることができる社員はごく一部に限られています。そのため人から人へ技術を伝承することが大切です。ライン増設に伴い、自動検品などAIの活用も進めていますが、最終的には技術者の経験と知識が重要。商品の誕生から今まで、技術者が一丸となってつないできたものなので、これからも努力を積み重ねていきたいです」
商品の新たな価値・可能性で北海道生乳100%を届ける
「営業の視点では、さけるチーズの特長を見直しています。片手で食べられること、さいてシェアできることなどコミュニケーションという面から新たな価値・可能性を広げたいと考えています。今後、手に取ったことがないお客さまにもアプローチできるよう“新しく・楽しい”をアピールしたいと模索中です! ご期待ください」と増田課長。
中村課長は「私たち製造担当は、これからも酪農家の皆さまに高品質な生乳を安定的に供給していただきたいです。消費拡大に向けては、引き続き、酪農と乳業の強いつながりで手を取り合って共に活動していきましょう! 更に、 『雪印北海道100』シリーズは商品ラインナップも増えています。これからも北海道生乳を100%使用した良質なチーズを作り続けていきたいと思っています」