広がるドローンの活用

省力化を進めるドローン

キーワード:スマート農業

省力化を進めるドローン

急速に進化するドローン活用の可能性を解説します。

この記事は2020年10月1日に掲載された情報となります。

急速に広がるドローンによる農薬散布

遠隔操作または自動操縦で空を飛ぶ無人航空機「ドローン」。複数の回転翼(ローター)を搭載した「マルチコプター」「マルチローター」と呼ばれる機種のほか、固定された主翼を持ち長時間飛行が可能な「固定翼ドローン」もあります。

農業分野でドローンが最も多く使われているのは、農薬散布の用途です。ドローンによる全国の農薬散布面積は2018年度の約3.1万haから2019年度の約6.5万haへ急速に拡大傾向※1。農林水産省でも昨年3月に策定した「農業用ドローン普及計画」において、2022年度にはドローンによる散布面積を100万haに拡大したいと数値目標を掲げています。今のところは水稲の防除が中心ですが、今後ドローンに適した農薬数が増えれば野菜や果樹などでの活用も増えていくものと考えられます。

※1 農林水産省による推計

農薬散布だけじゃないドローンの可能性

実際に農薬散布用ドローンの販売台数は、2018年度で1400台、2019年度には2100台と、年々増加中※2。現在稼働している農薬散布用の無人ヘリは全国で3000台弱なので、台数だけでいうと既にドローンの方が多くなっているのが現状です。無人ヘリに比べて機体の価格がリーズナブルで、個人でも所有しやすいことから、今後も更に普及が進むものと予測されます。

ドローンの用途もまだまだ広がりそうです。圃場を空から撮影して生育状況を「見える化」するセンシングはもちろん、そのデータを活用したスポット的な肥料散布、さらには播種や受粉、農作物の運搬、鳥獣被害対策まで幅広い分野で実証試験が進められています※3。将来はドローンによる各種請け負いサービスも増えてくるかもしれません。いずれにせよ生産者の作業負担を軽減し、省力化に貢献する機械であることは間違いありません。まずはドローンについての基礎知識を身に付けておきましょう。

※2 農林水産省による機体製造メーカー16社への聞き取り調査
※3 農業分野におけるドローンの活用状況(農林水産省2020年6月)

期待されているドローンの活用範囲

播種

播種
滋賀県のJAではドローンで水稲や緑肥作物の播種を行っているところも。ドローンに搭載する高精度播種機の開発も進んでいます。

肥料散布

肥料散布
道外では露地野菜への肥料散布も実証試験中。圃場センシングと組み合わせたスポット肥料散布も実用化に向けて研究されています。

受粉

受粉
青森県ではドローンによるりんごの受粉作業を実証中。花粉溶液を上空から散布することで、受粉作業時間を大幅に削減させました。

農薬散布

農薬散布
これまでは水稲の防除が中心でしたが、園芸作物や果樹などでも防除実証を実施中。ドローンに適した農薬登録も拡大しつつあります。

農作物等の運搬

農作物等の運搬
静岡県の傾斜茶園地では、収穫した茶葉の摘採袋をトラックまで運ぶ際、ドローンに吊り下げて運搬する実証試験が行われています。

圃場センシング

圃場センシング
作物の生育状況、土壌の肥沃度、病害虫や雑草の発生状況等をドローンで撮影した画像から分析するセンシングサービスが実用化されています。

鳥獣被害対策

鳥獣被害対策
シカやイノシシなどの野生鳥獣の活動が活発になる夜間にドローンを飛行させ生息域を調査。柵を設置するなど被害防止に活用されています。