シン道産品に注目 流通 いま店では何が売れているの?

小売業が注目する新しい道産農作物

キーワード:ホクレンショップ流通

小売業が注目する新しい道産農作物

国産野菜統一宣言をしているホクレンショップは、生鮮野菜を道産と国内産に限定して販売しています。店ではどのような商品が売れているのでしょうか。通勤客や観光客も立ち寄る札幌駅直結のホクレンショップグリーンコート店で、売れ筋の新たな道産品や、今後、販売したいアイテムなどを宮林店長と富田バイヤーにお聞きしました。

この記事は2022年12月1日に掲載された情報となります。

ホクレンショップ グリーンコート店
札幌駅直結ESTA地下1階食品売場

株式会社ホクレン商事 店舗事業本部 店舗商品部 生鮮課 青果部門バイヤー 富田 哲一さん(右) ホクレンショップグリーンコート店 店長 宮林 茂さん(左)

株式会社ホクレン商事
店舗事業本部 店舗商品部 生鮮課
青果部門バイヤー 富田 哲一さん(右)
ホクレンショップグリーンコート店
店長 宮林 茂さん(左)

北海道産の農産物で近年、売り上げが伸びている品目は?

宮林パプリカ、ズッキーニ、さつまいも、白玉ねぎなどです。白玉ねぎはお客さまから「辛みが少なくサラダでもおいしい」と人気です。果物だと丸ごと冷蔵庫に入れられる小玉すいかが売れています。今年は実の黄色いひまわりすいかも人気でした。北竜町のひまわり畑の写真を掲示して「ここで作っているんですよ」とアピールしました。加工品では道産の乾燥しいたけが売れるようになってきましたね。

富田:ミニトマトでは特にハート形の品種「トマトベリー」が人気です。以前、多くは宮崎県産などでしたが、最近は道産も増えています。馬鈴しょだと「インカのめざめ」がギフトを中心に伸びています。

気候変動の影響により北海道で作られる農作物が増えつつありますが、「北海道産」としてアピールしていきたいものは?

富田:マンゴー、シャインマスカット、ゴーヤ、さつまいもなど、北海道産としてアピールしていきたいです。白なすなどの珍しいなすも、部の地域では作られていますが、更に安定的に販売できるようになってほしいです。

新しい品目や品種を仕入れて販売する際に、考慮することは?

富田:鮮度と品質がもちろん重要ですが、仕入れる側としては、1回きりで終わるのではなく、ある程度の期間、継続的に販売できるものが好ましいですね。1回だけで終わりだと、お客様をがっかりさせてしまうことにもなりかねません。

宮林:「おいしかったからまた買いに来た」というお客さまもいらっしゃるので、最低でも3回くらいリピートしたいところ。安定した量が供給できると、消費者に認知してもらえるようになるはずです。

新しい商品を販売する時に店頭ではどのようにアピールしますか?

宮林:店内の番目につきやすい場所に並べて重点的に販売します。今、置いているのは甘みの強いかぼちゃ「ブラックのジョー」です(10月末で販売終了)。生産者やJ‌Aの方がPOPに使えそうなコメントなどを提供してくれる場合もあります(写真1)。

新しい商品や旬の商品はPOPを付け、特長や選び方などを提示。店頭の目につきやすいところでアピールする。
写真1. 新しい商品や旬の商品はPOPを付け、特長や選び方などを提示。店頭の目につきやすいところでアピールする。

富田:新しい品種であれば「従来の商品とココが違う」と説明したPOPを掲示します。新商品は情報が少ないので、出荷の際、味の特長や保存方法などを書いた資料を同梱してもらえると、POP作りに役立ちます。また、トレイなどの資材を華やかにすると、売場での差別化につながります。

道産原料を使った「加工品」で販売好調なものは? また、これから販売したい商品は?

宮林:豊頃町産の「切干大根」は良く売れます。たんざくカットで太く、歯ごたえがあると好評で、リピートされるお客さまが多いです。十勝清水町産の「黒にんにく」、北海道大豆の「きな粉」、レトルトの「ピーターコーン」も通年で売れています(写真2)。

人気の道産加工品は売り場を広く取り、コーナー展開をしている。
写真2. 人気の道産加工品は売り場を広く取り、コーナー展開をしている。

富田:りんごやいちごなど道産の果物を使った加工品を今後探して販売していきたいと思います。さつまいもの干し芋も良く売れているので、道産の干し芋も積極的に販売したいです。

新品目に挑戦する道内生産者に向けメッセージをお願いします。

宮林:当店では北海道産にこだわるお客さまが多いです。例えば今、札幌駅前のほかの百貨店で販売しているのは道外の高級ぶどうで、道産ぶどうを多く取り扱っているのは当店だけ。道産品をたくさん提供できることはありがたいと思っています。お客さまも詳しい方が多くて「旭りんごはいつ入るの?」「ひめかみが入ったら教えて」とリクエストされることもあります。消費者が求めるのは、圧倒的に「旬」の商品。お客さまのリピートにつながるよう、今後ともよりよい農産物の生産をお願いします。