そのPOPの表示、大丈夫ですか?

商品説明のPOPを作る時、注意することがあります。

この記事は2020年4月1日に掲載された情報となります。

ホクレン 内部統制管理部 食品品質・表示管理課

表示にはルールがあります

農畜産物の売り場などで、よく見かけるPOP。商品の特徴や魅力などを消費者に伝える重要なツールなので、売る側として商品をアピールする表現は強くなりがちです。しかし、その表示が行き過ぎていないか、表示に関する法律(景品表示法)も踏まえて作成することが大切です。

景品表示法は、消費者の利益を守ることを目的に、不当な表示や過大な景品類の提供によって顧客を誘い込むことを禁止するものです。ホテルや百貨店などで食材のメニュー表示等の不正表示が相次いだことを受け、2014年に改正されました。事業者に対し表示等を適正に管理するのに必要な体制整備を義務付けたり、課徴金の規定が追加され、行政の監視指導体制も強化されています。

誤認表示ではないでしょうか

表示に関する規制は、品質などを実際より良いように思わせる「優良誤認表示」や価格などの取引条件が実際よりも良いように思わせる「有利誤認表示」、「その他誤認されるおそれのある表示」に分けられます。いずれも、誤認表示かどうかは事業者の意図に関わらず、消費者の認識を基に判断されます。その時々の社会通念も考慮されるので、以前は問題無かった表現が誤認表示となる場合や、景品表示法以外の法令に関わることもあるなど(例では2‌、3)、表示には十分な注意が必要です。

優良誤認表示例①

優良誤認表示例①
「日本一」など格付けを表す表示には、その裏付けを求められた時に示す、根拠資料が必要になります。「国内の品評会で一等となった」などは具体的な根拠となります。

優良誤認表示例②

優良誤認表示例②
健康に関わるような表示は、健康増進法で誇大表示の禁止が規定されており、根拠のない効果を示すような表示は禁じられています。

優良誤認表示例③

優良誤認表示例③
栄養成分を強調する食品表示は、食品表示法で「高い」「含む」「強化された」などと表示できる基準値が定められています(食品表示基準)。その基準に合った表示になっているか確認が必要です。

有利誤認表示例

有利誤認表示例
期間限定などと表示する場合、いつも同じ表示がされていれば「限定」の根拠を確認できません。限定の表示をする場合は、そうでない状態の期間が明確にあることが求められます。

効果的にPOPを使いましょう

店頭でPOPを掲示する時に、ちょっとだけ意識したいのは価格だけではなく「価格以外の魅力」をしっかりと伝えるということ。以下のポイントを押さえてPOPづくりをしてみましょう。

❶自分でしか伝えられない情報
我が家の食べ方や栽培の工夫、苦労など生産者だからこそ伝えられる情報や思いを書きましょう。その生産物ならではの情報が重要なのです。

❷消費者の「なぜ」に答える
なぜ、その野菜を作っているのか。なぜ、値段がほかより高いのか…などしっかりと「なぜ」に答えると魅力が伝わりやすくなります。

事例でわかる景品表示法 不当景品類および不当表示防止法ガイドブック(消費者庁HPより) https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/pdf/fair_labeling_160801_0001.pdf