カテゴリー:労働力不足対応
実施年度:2018~2019年度
実施:中標津支所営農支援室、営農支援センター 営農支援推進課
協力関係機関:株式会社Life Lab
対象JA:JA標津、JA中標津、JAけねべつ、JA道東あさひ ※釧路支所管内のJAしべちゃも同様の取り組み
POINT
●農業に関心のある求職者がよく見る「Webサイト」で全国から募集
この記事は2021年10月1日に掲載された情報となります。
酪農地帯に顕著な労働力不足
酪農地帯では、新規就農者のみならず牧場従業員や酪農ヘルパーなどで慢性的な労働力不足となっています。そのため、道内のJAでもホームページへの求人掲載、酪農体験ツアーの開催、「新・農業人フェア」への出展など、労働力確保に積極的に取り組んでいます。
更に、ホクレン営農支援センターでは2018年より酪農地帯にターゲットを絞った労働力確保の仕組みづくりを開始しました。
「Webサイト」による募集
現在、仕事探しはWebでの検索が主流となっています。そこで、Webサイトの中でも第一次産業に特化していて、〝農業に関心のある求職者がよく見る〟といわれている株式会社Life Labが運営する「第一次産業ネット」を活用することにしました。
まずは、営農支援推進課がJA向けの企画書を作成(図1)、営農支援室がそれに基づき各JAに提案し、この取り組みに賛同するJAを募りました。その結果、株式会社Life Labとの契約JA数は、取り組み2年目の2019年には、根室管内4JA、釧路管内1JAの計5JAになりました。
その後、4JAと中標津支所営農支援室が会議を開催(写真1)。求職者からの問い合わせが多い農場の求人広告の特徴やポイントなどについて、情報を共有しました(表1)。
JA担当者の求人広告に対する意識も高まり、求職者の興味を引く求人広告作成につながるとともに、多くの農場が求人掲載することとなりました(図2)。
Webサイト活用が地域に定着
この「第一次産業ネット」を通じた採用は、2019年9月時点では応募101名、採用23名でしたが、2020年1月時点では応募185名、採用27名まで増えています(図3・4)。
採用された方からは「とても良い農場に就職することができた」、農場からは「とても良い方が来てくれた」との感謝の声がJAに寄せられており、JAとしてもWebサイトを活用した労働力確保に手ごたえを感じています。
根室管内4JA合同での取り組みにより、あるJAで条件が合致しなかった求職者をほかのJAに紹介するなど、JA間での地域連携を生み出すことができました。また、円滑な求職者の受け入れに向けて、住宅や生活面のサポートなど農場側の準備体制についても、JA、株式会社Life Lab、ホクレン営農支援室が協議を続けています。
現在も、JAが独自に継続して求人掲載を行うなど、Webサイトを活用した労働力確保の取り組みは地域に定着しつつあります。