今の時代に知っておきたい外国人を雇用する時の基礎知識。ポイントは適切な手続きと相手の立場で思いやる想像力。
異文化に理解を深め、働きやすい環境にしましょう!
この記事は2022年4月1日に掲載された情報となります。
キャリアバンク株式会社
海外事業部 部長
社会保険労務士
水田 充彦さん
Profile:外国人材の雇用に詳しく、行政書士資格も取得。日本語学校を運営する株式会社ジャパンランゲージ代表取締役社長も兼任。
キャリアバンク株式会社
北海道と同社は2021年9月、コロナ禍で帰国困難な技能実習生たちの就労支援に関する連携協定を締結。都道府県と民間企業が同様の協定を結ぶ初のケースとなった。
まずは雇用の前に
在留資格の確認から始まる三つのポイント
農業分野の外国人労働者数はこの5年間でほぼ2倍に増加し、厚生労働省の発表によると2021年10月末で全国に約3万8千人の外国人労働者が点在しています。そのうち北海道で働いている人数は約4千人。北海道農業にも身近な存在になりつつあります。そこで今回は外国人を雇う前に、未来の雇用主となる皆さんにぜひ押さえてほしい三つのポイントをご紹介します。日本で「働くこと」を目的に滞在する外国人は、在留資格を取得します。農業分野では主に「技能実習」と「特定技能」の在留資格が関係しています。
Point1 在留資格
技術移転の技能実習労働力の特定技能
外国人雇用の規則を全て覚える必要はなく、まずは大枠を知るところから。例えば、「いい人材だったから」と同じ技能実習生を翌年も雇用することはできませんが、特定技能外国人は再雇用が可能です。特定技能外国人は現在全国で約3万8千人。制度ができてまだ3年未満、しかもコロナ禍であることを考えると、これから大幅に増えることが予想されます。
Point2 受け入れ採用体制
信頼できる監理団体・登録支援機関に相談を
技能実習生を受け入れるにはまず、信頼できる監理団体を探しましょう。監理団体の役割は、雇用後の定期監査や訪問指導、実習生の母国語で応じられる体制の確保など。長い付き合いとなる監理団体を選ぶ際には、複数の業者から説明を聞くことをお勧めします。一方、特定技能は登録支援機関が相談役に。委託契約を結べば、事前ガイダンスや公的手続きへの同行など幅広い業務をカバーしてくれます。
Point3 職場環境
相手の立場を思いやる
外国人の社会保険や労災保険等の諸手続きや最低賃金法の適用は原則、日本人労働者と同じです。ただ明らかに異なるのは、お互いの言葉や文化、宗教上の習慣。近年は出入国在留管理庁と文化庁がガイドラインを定めた外国人にも分かりやすい「やさしい日本語」の普及が進んでいます。
もし働き始めて3、4カ月が過ぎた頃、「急に元気もやる気も薄れてきた」と感じる時は、相手が異文化適応にストレスを感じる「カルチャーショック期」に陥っている可能性も。そういう時こそ外国に身を置く緊張や不安を思いやり、「もし自分が相手の立場だったら」と思って接することが大切。相手のことを思いやる心は外国人にもきっと伝わるはずです。ひいては外国人材の定着につながります。
必要な情報はWebで検索しよう!
外国人技能実習機構サイトで「許可監理団体一覧」を検索!
https://www.otit.go.jp/kyoka_kanri_dantai/
法務省 出入国在留管理庁サイトで「登録支援機関登録簿」を検索!
https://www.moj.go.jp/isa/policies/ssw/nyuukokukanri07_00205.html