新しい技術やおすすめの品種を誌面とWebでご紹介

ホクレンフィールドデー2020

キーワード:スマート農業

HOKUREN FIELD DAY 2020

例年、多くの皆様にご来場いただくホクレンフィールドデー。今年はアグリポート誌面とWeb上で実施しています。新しい技術やおすすめの品種をここでチェックしてください。

この記事は2020年12月1日に掲載された情報となります。

スマート農業と新品種に注目です

ホクレンでは、スマート農業の実証試験や新しい品種の開発に取り組んでいます。例年のホクレンフィールドデーであれば、長沼研究農場でさまざまな技術や品種を直接ご覧いただいていました。残念ながら今年は新型コロナウイルスの影響で現物をお見せすることができませんが、そのかわりにご自宅で誌面と動画でじっくりご覧ください。

今年は動画でもご覧いただけます

動画はユーチューブ「ホクレン アグリポートチャンネル」内の再生リスト「ホクレンフィールドデー2020」でご覧いただけます。誌面では紹介できなかった品種などもあるため要チェックです。

●ホクレンアグリポートチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UC4Dt4CyXyMsKSVtofG4dprw


スマート農業

農薬散布ドローン

01 農薬散布ドローン

近年、自動飛行が可能な農薬散布ドローンが普及し始めています。タイプは大きく二つ。一つは、トラクターの自動操舵のように、始めに基準となる飛行ライン(AB線)を手動で設定後、AB線と並行なライン上を自動で飛行するタイプ。もう一つが、あらかじめ散布作業をする圃場をタブレットなどで設定し、離陸・散布・着陸を完全自動で行うタイプです。


 

自動操舵トラクター

02 自動操舵トラクター

ホクレン訓子府実証農場では、自動操舵トラクターによる作業の実証を行いました。馬鈴しょ栽培において、ガイダンス使用の有無による差を比較。それぞれ1haの畑で、耕起、播種、培土、収穫の四つの工程で、作業時間や直進性の効果を検証しました。詳細はアグリポート27号でもご覧いただけます。


環境制御装置

03 環境制御装置

施設園芸分野では、栽培施設内の気温、湿度、二酸化炭素濃度などを制御する「環境制御装置」が注目されています。ホクレン長沼研究農場では、一般的なビニールハウスに装置を導入し、生産性や省力化に対する効果を検証しています。


水稲の水管理システム

04 水稲の水管理システム

水稲栽培における水管理作業は、総労働時間の約3割を占めるといわれています。ホクレンと北海道農産協会は、この作業時間を削減するため、水管理機器を全道各地で実証しています。動画では、実証の結果と各機器をご紹介。機器の一つである「水田farmo」はアグリポート27号でもご覧いただけます。


おすすめの品種紹介

プラテックス

01 プラテックス

緑肥作物 アウェナ ストリゴサ(えん麦野生種)

夏播きで多収性を発揮する中生品種

「サイアー」より約1週間出穂が早い中生品種です。晩生の「サイアー」より生育が早いため、夏播きで生育期間が短くても安定的に多くの有機物を土壌にすき込むことができます。また、「サイアー」同様、高いキタネグサレセンチュウ密度低減効果があります。


スターラウンド

02 スターラウンド

ブロッコリー

花蕾の外観に優れるブロッコリー

夏季の作期でも不整形花蕾やキャッツアイなど生理障害が発生しづらく、花蕾の形状も良好な品種です。なお、夏季は花蕾腐敗病の発生が多い時期のため、銅剤の活用や多肥栽培を避けるなどの総合的な対策をおすすめします。


夏后

03 夏后

大根

晩抽性で生理障害に強い初夏播き大根

肌が美しく、揃い性に優れます。抽苔の発生が少ないうえ、高温時の赤芯症や黒芯症など生理障害に強いため、6月から7 月中旬まで播くことができ、バーティシリウム黒点病にも強い傾向があります。根が地上にせり上がりやすく、多湿時でも比較的根形が安定します。やや小葉で草姿はやや立性です。


紫龍

04 紫龍

スターチス・シヌアータ

採花本数が多い紫系品種

紫系の中生品種。ブラシ形状は良好で分枝数が多く、採花本数も多いため多収です。抽苔時期が揃うため一斉採花が可能で、抑制作型(6月定植)にも向いています。スターチスは高温時に花茎が曲がりやすいため、ハウス内の温度管理が重要です。


蒼雲

05 蒼雲

スターチス・シヌアータ

2番花も高品質な青紫系品種

青紫系の中晩生品種です。ブラシ形状は良好で分枝数も多く2 番花以降も高品質です。連続的に抽苔するため、長期間の採花が可能です。生育初期が高温条件になると収量・品質に影響する場合があるため、4月中旬までの早い時期の定植をおすすめします。


味早太

06 味早太

かぼちゃ

ホクホクした食感の極早生品種

開花後40日が収穫の目安となる極早生品種で、粉質感が強くホクホクした食味になりやすいのが特長です。果実は2.0kg前後で、つる伸びがよく生育中の草勢は強いです。収穫遅れと長期貯蔵での果皮の変色に注意してください。


ひめみつ

07 ひめみつ

キャベツ

甘味の強いボール系キャベツ

7月定植以降の作期では甘味が強くみずみずしいため、他と差別化できる品種。球形で芯は低く、低温肥大性があります。裂球は遅く、高い在圃性があります。石灰欠乏症(心腐れ)などの生理障害は出にくく、歩留りが高いです。6月以前の定植ではやや縦長になる傾向があります。


佐和姫

08 佐和姫

キャベツ

軟らかい純サワー系キャベツ

肉質は軟らかくみずみずしい食感をもち、やや扁平球で尖り玉になりにくい早生品種。耐暑性に優れ、石灰欠乏症(心腐れ)などの生理障害が出にくいです。外葉はコンパクトで開帳性になり、よく揃うので一斉収穫しやすく、芯が細いので収穫作業が楽です。


スピーディア

09 スピーディア

芽キャベツ

早生で収量性の高い芽キャベツ

早生で、7月以降の定植でも石灰欠乏症(心腐れ)などの生理障害が出にくいタイプです。つやのある小球は形状が揃い、黄化した下葉を摘葉しながら肥大した順に片手で簡単に収穫でき、1株から30個前後の収穫が望めます。茎が短めで耐寒性が比較的強い品種です。


プレミアム味来85

10 プレミアム味来85

スイートコーン

「味来」シリーズのイエロー品種

食味の良いイエローの中早生品種です。収穫適期が長く、一斉収穫が可能です。先端稔実が良好で雌穂は400g前後と大きくなります。雄穂と茎の根元にアントシアンが発生することがありますが、雌穂の皮は濃緑色で見栄えが良いです。


まゆか

11 まゆか

ミニトマト

甘味の強い良食味品種

果実はやや小さめですが、甘味が強く、食味が良いのが特長です。また、節間が短く、栽培管理も容易。草勢はやや強めなため、食味を損なわないためにも基肥は少なめにし、特に初期の草勢を抑えた栽培がおすすめです。


甘っこ

12 甘っこ

ミニトマト

高糖度で酸味とのバランスに優れた良食味品種

果実はやや縦長で照りがあり、糖度と酸味のバランスに優れた品種です。ガクがしおれにくく、棚持ちが期待できます。草勢はやや強めで、茎が太くなりやすいので、基肥を少なめにし、初期生育を抑えた栽培法がおすすめです。


TYボンジョールノ

13 TYボンジョールノ

加熱調理向けトマト

加熱調理に向く中大玉品種

果実は約100〜140gの卵形で濃赤紅色の品種です。肉質がしっかりしていて適度な酸味があり、炒め物等の加熱調理に向きます。果実の軟化が遅く、日持ち性も良好です。また、草勢は強く、無摘果でも良好な収量が期待できます。


カーソン

14 カーソン

人参

極晩抽性で高歩留まりの加工用品種

極晩抽性で黒葉枯病に強く、根は短く寸胴な形状のため収穫適性に優れます。多肥条件で茎葉が過繁茂となりやすく、収穫効率が低下することがあるため、適正量を施肥しましょう。また、肥大が進み過ぎるとス(内部空洞)が入りやすいため、播種後約130日での収穫を心がけてください。


紅ぞろい

15 紅ぞろい

人参

晩抽性で肥大性に優れる加工用品種

晩抽性で肥大に優れ、根色も比較的優れる加工用品種です。根長は約20cmでまとまり、収穫時歩留まりや加工歩留まりを高く確保できます。黒葉枯病抵抗性は慣行品種並みであるため、適切な防除を行ってください。


金美プラス

16 金美プラス

黄人参

晩春播きが可能な黄色品種

肥大は一般青果品種並みですが、揃い性に優れています。尻詰まりが良く肌つやも良好で、根色は肉部・芯部ともに黄色となります。生育日数90〜100日で収穫できる早生品種なので、適期収穫を心がけてください。