農業現場では高齢化などの影響から労働力不足が深刻化し、AIやロボットによる機械化・自動化が注目されています。食産業界で多くの実績を持つ株式会社ニッコーの取り組みをお聞きしました。
この記事は2024年1月15日に掲載された情報となります。
株式会社ニッコー 代表取締役
佐藤 一雄さん
「地元釧路の水産業を支えたい」ニッコーの“挑戦”の始まり
今後更に加速することが懸念される農業現場の労働力不足。株式会社ホクレン商事では、こうした課題の対策の一つとして株式会社ニッコーの産業ロボット技術に注目し取り扱いしています。
株式会社ニッコーは、本社のある釧路市の水産業向け機械設備の開発販売を目的に1977年に創業。90年代には食品・農産・食肉加工など、食産業向けロボットシステムや画像処理技術を活用した省力化機械設備の開発製造へと事業を展開してきました。これまで培ってきた食品加工技術やロボット技術などをベースに近年は農業分野にも活躍の場を広げています。
「個々の課題を丁寧に切り分けながら、顧客ニーズに対応したものづくりを実践したい」と代表取締役の佐藤さんは語ります。
ニッコーの強みと顧客ニーズに対応したものづくり
ニッコーの強みは、創業以来養ってきた、水産物、農産物、食肉、食品など形や柔らかさが安定しない食材を加工するためのノウハウと、そのノウハウを支えるロボット技術や革新技術です。食品という不定形物を扱うためには専門的な知識だけでなく、現場経験の蓄積が不可欠です。画像処理や計測技術、自動化に欠かせないモーション制御技術、全体のシステムを制御するための統合制御技術などを駆使することで、一つとして同じ形状のものはない食品を正確に取り扱い、顧客独自の加工技術を支えています。
同社では顧客のニーズに寄り添った迅速・丁寧な対応を可能にするため、企画から販売、機械制御・ソフトウエア設計、製造、アフターメンテナンスまで一貫して行っています。どのような難題にも諦めず、必ず顧客に成果物を納めてきたという佐藤さん。
「お客さまとの信頼関係は何よりも重要。真正面から向き合うことが大切だと思っています」
農業分野でも顧客のために“価値あるオーダーメイド”を
同社の産業用ロボットは、用途に応じてほぼオーダーメイド。顧客と密なコミュニケーションを取り、安全安心はもちろん、顧客の期待以上の提案や新しいアイデア、新技術を活用した価値提案も重要と考えています。
農業分野でも実績があり、ながいも自動カット装置(写真4)や大葉選別ロボット(写真5)などが既に稼働中。サイズを選定したり、体積を測って可能な限りロスのないようにカットしたりと繊細かつ正確な技術が求められる作業をロボットが担っています。
今後はトマト、きゅうり、かぼちゃなどの色を見分けて自動収穫を行うロボットなどの開発も目指していければと考えています。
また、北海道初の企業一体型教育施設「北海道ロボットラボラトリー(HRL)」を開設(写真6)。ロボットに関わる知識習得やリテラシーの向上、資格取得などを通じてDX人材の育成も行っています。
「これからも技術を通じて北海道の食産業に一層貢献していきたいですね。困りごとがあればぜひ気軽にお声かけください」と佐藤さん。労働力不足解消に向けた同社の技術に今後も注目です。
本件にご興味のある方は、ホクレン商事 営業部 情報サービス課までお問い合わせください(担当者 松川、福西)。TEL(011)737−3360