通信環境の整備

キーワード:5Gスマート農業

次世代ネットワークと言われる5G。農業の分野でも5G技術を使い、さまざまなサービスが進化しています。ここでは農業分野における通信環境の整備がもたらす変化をお伝えします。

この記事は2021年10月1日に掲載された情報となります。

総務省北海道総合通信局
情報通信部 情報通信振興課 課長
伊東 政志さん

総務省北海道総合通信局
情報通信部 情報通信振興課 地域振興担当
鈴木 勇人さん

スマート農業を変える5G

総務省の補助事業(2020年第2次補正予算)によって全道の市町村で希望した地域には、2022年3月末までに光ファイバーが整備される予定となっています。これまで以上に通信環境が整ってきていると言えるでしょう。

また、次世代ネットワークと言われる5Gも普及が進んでいます。5Gは「超高速」だけでなく「超低遅延」「多数同時接続」による新たなネットワークを備えていることが特長です。

「5Gを活用することで今後、ロボットトラクター等をタイムラグなく操作できるようになります。これまであったタイムラグを縮めることで危険度が低下し、安定した作業を進められるようになってくるでしょう」と話すのは総務省北海道総合通信局の伊東さん。

大手携帯会社が全国展開する5Gと、地域のニーズに応じ、柔軟に運用できるローカル5Gは北海道のスマート農業を発展させる可能性を秘めています。同課の鈴木さんが解説してくれました。

「ローカル5Gとは地域の企業や自治体などが、ニーズに応じて建物内や敷地内(農地や牛舎)で自営のネットワークとして活用できる5Gのことです。しかし、課題もあります。ローカル5Gの場合、基地局は利用者が設置するので、そのコストがかかるのと、基地局がカバーできる範囲が限られるなど、現場活用までに実証試験を重ねる必要があります。現在、岩見沢市ではローカル5Gを利用しトラクター等の自動運転化と、さまざまなデータを送受信する実証を行っています。今後の精密な圃場管理に役立つことが期待されます」

5Gの整備で実現する高速通信がスマート農業の新しい扉を開こうとしています。

 

5Gの概要
図1. 5Gの概要