この記事は2023年6月1日に掲載された情報となります。
ホクレン営農支援センター スマート農業推進課
ホクレン訓子府実証農場で、スマート農業技術について、道内の生産現場に合った技術や機器の利活用方法を実証試験などで確認し、分かりやすく伝える取り組みが始まりました。
注目されるスマート農業技術
高齢化や労働力不足など、北海道農業が直面する多くの課題解決に役立つ手段として、ロボットやICTなど、スマート農業技術が注目されています。しかし、そうした新しい技術や機器の情報を集め、自分の経営にとって有効か、導入すべきかどうか判断し、活用するのは容易ではありません。
そこでホクレン訓子府実証農場(写真1)を起点に、スマート農業技術や機器に係る情報を収集し、生産現場の視点から検証。導入の検討に役立つ客観的な情報や活用方法などを分かりやすく伝え、生産性向上をサポートしていくことになりました。
四つのコネクトでスマート農業を推進
ホクレン訓子府実証農場は、以下の四つのコネクト(つながり)結集の場となる「コネクテッドファーム」として、取り組みを推進していきます。
❶組織のコネクト〜産官学の各組織と連携し、生産者ニーズを把握しながら単独では難しい技術開発、導入・運用に向けた取り組みを図ります。
❷技術のコネクト〜スマート農業に係るさまざまな技術情報の収集と検証を行い、新たな技術を導入したモデル農場として、今後の営農の将来像を提案していきます。
❸人のコネクト〜先進技術を学べる場を提供し、スマート農業人材の育成を図っていきます。
❹地域へ結ぶコネクト〜情報提供を通じ現場への技術実装を加速し、地域への普及を図っていきます。
コネクテッドファーム構想の記事もご覧ください。
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取り組み開始を伝える「スタートアップ会議」を開催
4月12日に「コネクテッドファーム」の取り組み開始を紹介する「スタートアップ会議」を、ホクレン訓子府実証農場で開催しました。JAや行政、研究機関、参画企業などWeb参加含め130名以上が参加、取り組みの目的や具体的な実証内容などを共有しました(写真2、3)。
今後の取り組み内容
今年度は、畑作および酪農圃場での作業で、ロボットトラクターを活用する場合にどのような課題があるかの検証(写真4)や、トラクター装着センサーによる病害虫発見など、省力化や自動化に関する実証を進めていきます。
また、リモートセンシングによる可変施肥やGIS(地理情報システム)活用による収穫集荷作業の効率化(図1)など、データの収集、蓄積や活用方法についても実証を進めます。
更に、スマート農業の知識や技術習得と、生産者への普及を図るため、研修会開催などの人材育成にも取り組んでいきます。
得られた成果は、本誌などを通じ、生産者の皆さんにお伝えし、普及させていきます(図2)。