2017年の作業ポイントを確認-1

気象災害であらわになった課題 基本技術の再確認、徹底の重要性

キーワード:気象災害

気象災害で顕になった基本技術の再確認

この記事は2017年4月1日に掲載された情報となります。

 

10年に一度といわれる低温、観測史上初という台風の4連続上陸など、2016年は気象災害の年でした。こうした災害の影響を踏まえ、2017年春作業のポイントについて北海道農政部生産振興局でお話を伺いました。

 

宮町さん

北海道農政部 生産振興局
技術普及課 総括普及指導員
宮町 良治さん

 

鈴木さん

北海道農政部 生産振興局
技術普及課  総括普及指導員
鈴木 康義さん

 

水稲・畑作・園芸関係のポイント

各品目においては、2016年8月から9月にかけて襲来した台風による影響を「十分に考慮した作業を心掛けるべき」と、 技術普及課・宮町良治さん。

「8月後半からの雨量が非常に多かったため、一部の圃場では滞水によって湿害を受け、作物を収穫できなかった場所があります。また、11月初旬に降った大雪のため、作物がそのままになっている場所もあるでしょう。2017年の春作業においては、こうした状況を考慮した準備作業を心掛けていただきたいと思います」

 

にんじんの湿害状況
にんじんの湿害状況

 

具体的にはどのような点に気をつけると良いのでしょう。各地のJAや農業改良普及センターなどを通じご存じの方も多いと思いますが、ここで改めて伺いました。

「具体的には、未収穫の場合には施肥の量を減らすこと。また、圃場が十分に乾燥しないまま積雪期を迎えていますので、基本技術になりますが、雪を早めに融かし、圃場の乾燥を進めていただきたい。より良い条件を整えていくことが、春作業で最も大切なポイントとなります」

さらにもう一点、病害虫対策にも気をつけてほしいとの指摘もありました。

滞水や収穫遅れによって、秋まき小麦などの輪作体系が崩れた地域もあるでしょう。そうした地域では連作となってしまうことがありますので、注意が必要です。圃場の状態を確認し、病害虫の発生には十分注意しながら作業を進めていただきたいと思います」

 

酪農畜産関係のポイント

酪農畜産においては、飼料用とうもろこしが深刻な影響を受けました。すぐに飼料不足に陥ることはないと考えられますが、気象災害による影響を最小限に抑えることを念頭に、「数年先まで見越した計画を構築していただきたい」と話す、技術普及課・鈴木康義さん。

「2016年に最も深刻な気象災害被害を受けたのが、釧路、根室地方などの道東エリアです。10年に一度という低温と台風被害によって、飼料用とうもろこしが例年の50%程度しか収穫できませんでした。2014・5年と豊作年が続きましたので自給飼料の在庫は確保できていますが、2017年も異常気象に見舞われた場合、事態は一気に深刻化してしまいます」

 酪農生産においては、良質な自給飼料の確保がとても重要です。飼料購入量が増えてしまうような事態は、何としても避けたいところです。

「収量への期待を先行させるのではなく、地域の気温傾向に見合った飼料用とうもろこしの品種を選定することが最も重要です。また、倒状を避けるため適正な栽植密度を守ることも大切ですね」

こうした事柄は、言うなれば基本技術。「基本を徹底することこそが最重要ポイントである」と鈴木さん。

「畑作と同様、きちんと耕してから種をまく。牧草地への追肥についても、萌芽期という最良のタイミングを捉える。飼料不足が懸念されるのであれば、こうした基本的な技術を再確認、徹底すべきです」