緑肥種子

大地に実りを!! 畑に生きた肥料を!〜お勧めの夏播き緑肥〜

キーワード:品種技術園芸緑肥種子肥料

夏カラシ

この記事は2016年6月1日に掲載された情報となります。

ホクレン農業協同組合連合会 畜産生産部 自給飼料課

POINT!
●秋播き小麦後作として、緑肥の利用をご検討ください。
●えん麦野生種の新品種をリリースするとともにさらなる有望品種を開発しています。

北海道は緑肥作物がおよそ4万ha栽培されており、土壌改良や病害虫防除の手法として緑肥が活発に有効利用されている先進地帯です。その背景として、圃場管理における休閑地の必要性や、土づくりが強く意識されていることなどが挙げられます。

緑肥作物のさらなる利用促進に向け、ホクレンでは、より使い勝手のよい品種の開発・選抜に取り組んでいます。

 

えん麦野生種でセンチュウ低減

最も道内で栽培されている緑肥である「えん麦類」の魅力はなんといっても栽培が手軽であり、かつ安定して有機物量が確保できる点にあるのではないでしょうか。そのえん麦類の中では、えん麦野生種の作付けが増加しています。

えん麦野生種が道内で緑肥として利用され始めたのは、1980年代にさかのぼります。本会では長年にわたり「サイアー」を供給していますが、2013年から新品種「プラテックス」を発売開始しましたのでご紹介します。

プラテックス
プラテックス
収穫量は8%増加(既存品種サイアー対比、夏播き試験)
キタネグサレセンチュウ密度は89.6%低下(作付け直前と収穫時のセンチュウ密度を比較)

新品種の「プラテックス」には「サイアー」と同様、キタネグサレセンチュウ密度の低減効果があり、さらに夏播きでは「サイアー」より多収のため、有機物の鋤き込み量が増加します。また冷夏や播種遅れによる低収の恐れを軽減できます(「プラテックス」は「サイアー」より出穂が一週間ほど早い中生種のため)。

なお、本会では、農研機構と共同で新品種も開発しています。現在品種登録出願中で、ご利用いただけるのは数年後の見込みとなりますが、ご期待ください。

 

ひまわりで景観美化

道内で2番目に多く作付けされている緑肥作物はシロカラシで、次にひまわりと続きます。販売開始から今年で20年目となるひまわり「りん蔵シリーズ」は、春播き用の「春りん蔵」、夏播き用の「夏りん蔵」、花が綺麗な「花りん蔵」とラインナップを揃えており、景観を彩る緑肥として定着しています。

中でも極早生種「夏りん蔵」は、8月中旬までに播種すれば年内に開花し、秋にきれいな花を楽しむことができます。秋播き小麦の後作などに是非ご利用をご検討ください。

夏りん蔵
夏りん蔵

生きた肥料である緑肥作物は、それぞれの作物において栽培上の注意点があります(野良生えを避ける鋤き込みのタイミングなど)。

JA資材店舗やお近くのホクレンにお問い合わせください。