ホクレンの営農支援の現場からさまざまな取り組みや情報をお届けします。
この記事は2021年6月1日に掲載された情報となります。
Hokuren area Report
函館支所
JA新はこだて知内基幹支店では、知内ニラ「北の華」のブランドを確立し、作付けしています。知内町では、加温、無加温ハウス栽培の「前期ニラ」と夏秋採りの「後期ニラ」を組み合わせ、ほぼ周年で栽培を行っています。
ニラを共選施設に持ち込むためには、下葉や収穫時に付着した土を除去する「そぐり」と呼ばれる作業が必要で、現在は、コンプレッサーを用いた空圧式ニラそぐり機を用いて作業しています。
しかし、出荷調整にかかる作業時間が長いため、収穫量が多い時期や、他の農作業と重なる時期は、本来出荷できるはずのニラを捨て刈りせざるを得ない状況が発生しています。そこで、ホクレン函館支所は、共選施設に他県のニラ産地で導入されている水圧式ニラそぐり機を設置し(写真1)、省力化する効果の検証を行いました。
空圧式と水圧式ニラそぐり機を比較したところ、処理品質についての問題はなく(写真2)、水圧式の処理時間は、処理量10kg当たり9分と空圧式の3分の1で済む結果となりました。
また、水圧式ニラそぐり機を使用することで、ニラ製品に水が付着し、輸送段階で微生物が増殖することが懸念されましたが、品質・輸送確認試験結果から(図1)、空圧式との大きな差はないことが確認されました。
今回の効果検証で水圧式ニラそぐり機は、作業省力化および収穫量の増加につながることから、生産現場での実用性の検証を踏まえ、普及拡大することが期待されます。