ホクレンの営農支援の現場からさまざまな取り組みや情報をお届けします。
この記事は2020年6月1日に掲載された情報となります。
Hokuren area Report
札幌支所
アブラナ科野菜で問題となる根こぶ病は、土壌中の病原菌が根に感染してこぶを作ることで、生育不良を引き起こす病気です。道内でも広く発生がみられます。
そのような中、新規品目としてブロッコリーの産地化を進めているJA北いしかりの事例を紹介します。同JA管内は比較的ブロッコリーの栽培歴が浅いため、この病気はそれほど出ていません。そこで、今後も発病を増やさないために、JAと生産部会、農業改良普及センター、ホクレン札幌支所が連携した取り組みを実施。菌密度を測定する土壌診断や、その結果に基づく対応などをマニュアル化しました。
根こぶ病は、菌密度が高く、土壌pHが低い圃場で発生する可能性が高くなります。その土壌診断結果に基づき、リスクが高い場合は別の作物に変更するなどの対策が必要です。
ある生産者は、非常に菌密度が高かった圃場に誤ってアブラナ科であるキャベツを作付けしてしまい、定植2週間後にはほとんどの株が根こぶ病にかかって、畑をつぶしてしまったことがありました。一方で、菌が検出されず、土壌pHも適正な場合は発病の可能性は低いため、不要な防除を減らすこともできます。
菌密度や土壌pHは発病要因の一部であり、気象条件、土壌の種類、作物や品種などにより、実際の発生の有無や程度は異なりますが、発病リスクや防除コストなどを下げることは重要と考えています。
なお、マニュアルなどに興味のある方はホクレン札幌支所営農支援室までお問い合わせください。