
この記事は2026年3月23日に掲載された情報となります。
全国のスーパーに並ぶ国内産の馬鈴しょでん粉は100%北海道産馬鈴しょが原料です。優れた白度や粘度が高く評価され、医療・工業分野でも引っ張りだこ。その存在感が今、一層高まっています。

一般社団法人 全国片栗粉組合
副理事長 久保 晃さん
「全国の小売店の棚に北海道産片栗粉を安定供給できるよう、生産者さんの輪が広がることを期待しています」

暮らしに欠かせない食材
赤紫色の花びらが美しいユリ科の多年草、カタクリの球根からとれるでん粉であることから、その名が付いた片栗粉。今では国内産の片栗粉は、ほぼ全て北海道産馬鈴しょ由来に代わっています。
揚げ物の衣やつなぎ、あんかけのとろみ、あるいは和菓子や練り物など、様々な調理の場面で使われている馬鈴しょでん粉は、即席麺や春雨などの加工食品、医療分野の点滴や錠剤、工業分野ののり原料としても引っ張りだこ。
幼児に人気のたまごボーロや高齢者も飲み込みやすい嚥下食にも重用されていることを考えると、ライフステージを問わず、私たちの暮らしに長く寄り添い続けてきた食材であることが見えてきます。
国内唯一の生産地北海道
一般社団法人全国片栗粉組合は、平成18年に各地で活動していた4組合が集結し、全国組織として誕生した業界団体です。平成27年に㆒般社団法人化され、現在はメーカー22社の正会員を中心とするメンバーで構成されています。目的はJA系統工場で生産された北海道産片栗粉の安定供給や品質向上、作付面積拡大等の課題に取り組むこと。副理事長の久保晃さんに詳しいお話を伺いました。
「北海道で、でん粉用の馬鈴しょを作付けするようになったのは、北海道開拓使時代から、といわれています。国の奨励を受けて作り始め、今では国内産の馬鈴しょでん粉は100%北海道産馬鈴しょが原料です。馬鈴しょをでん粉にする専用工場があるのも北海道のみとなり、北海道の生産者さんは市場を支える大黒柱のような存在です」
でん粉市場にはコーンスターチや輸入加工でん粉等も出回っていますが、やはり北海道ブランドに寄せられる期待は絶大です。「北海道産片栗粉の特長は、鮮やかな白度と適度な粘度。とりわけ、食感に直結する保水力に関しては誰もが名前を知る春雨メーカーさんや大手中華チェーン店さんからも“北海道産でなければ”と高く評価されており、代替品では再現できない特性を広く認めていただいております」
食い止めたい供給不足
一方、北海道産馬鈴しょをめぐる現状を見ると、生産量が大幅に減少し、供給不足が続いており、農林水産省も「加工食品用が増加傾向にあり、生食用とでん粉原料用は減少傾向」と報告。これを懸念する全国片栗粉組合は、作付面積拡大に向けて農水省への働きかけを続けています。
更に、令和5年度からはホクレンが事務局となって「でん粉原料用馬鈴しょ栽培共励会」を開催。優れた生産実績を誇る生産者さんを表彰し、各地で展開されている技術や創意工夫を皆で共有する試みも始まっています。
日本の食文化や適切な輪作体系を守るうえでも、馬鈴しょでん粉はなくてはならないもの。その持続可能な生産を、皆で支えるときが来ています。
