
この記事は2025年2月28日に掲載された情報となります。
ホクレン 米穀部 米穀総合課
2024年にデビューした、北海道米新品種「そらきらり」。いち早く栽培に取り組んだ生産者の生の声を広く発信することを目的に、事例集を作成しましたので、今後の作業にお役立てください。
そらきらりの特長
「そらきらり」は、中食・外食向けに長年生産されてきた「きらら397」及び「そらゆき」に置き換えられる品種として、北海道立総合研究機構にて開発されました(表1)。

出典:北海道立総合研究機構 農業研究本部 中央農業試験場
「そらきらり」のタンパク質含有率は「きらら397」より低く、加工・食味特性は、実需者により「きらら397」とほぼ同等と評価されました。
❶多収であること(図1)、❷いもち病への抵抗性が強いこと(表2)も特長です。

出典:北海道立総合研究機構 農業研究本部 中央農業試験場
「そらきらり」は北海道のどの地域でも安定して優れた収量が見込めます。

出典:北海道立総合研究機構 農業研究本部 中央農業試験場
「そらきらり」は、いもち病抵抗性が強い「きたくりん」と同じランクで、「きらら397」に優ります。薬剤使用回数を減らせるため、コストを削減し、環境負荷を軽減できます。
いもち病への抵抗性が強いことから、農薬散布回数の削減も期待され、国が進める「みどりの食料システム戦略」に準拠した取り組みに資するものと考えられます。
冷凍米飯や牛丼、回転寿司など、業務用途を中心とした実需試験を実施し、総じて置き換え可能との評価を得ています。
初年度の事例を活用して次年度以降、更に作付け拡大へ
一般圃作付けの初年度となる令和6年産の「そらきらり」を作付けした生産者からは、「(きらら397などと比較して)収量増を実感できた」「農薬などの資材コストが削減でき作業負担が減った」と評価する声があった一方で、「登熟にバラつきがあるため、収穫期の見極めに注意が必要」「製品歩留まりが良くなかった」といった意見もありました。
このような意見を受けて、全道各地の生産者における生の声を生産現場へ広く発信することを目的に事例集を作成し、「アグリポートWeb」に掲載しました。
本事例集では、「そらきらり」を実際に栽培された8人の生産者の声を紹介しています。
いもち病抵抗性による防除負担の低減、収量が多かったといった良かった点だけではなく、「そらきらり」の注意点である倒伏の影響や対策まで、みなさんの試行錯誤の数々を掲載しています。
2024年より本格的に栽培が始まった「そらきらり」。まだまだ事例が少ない中ではありますが、全道各地の生産者の声を、作付けの参考にしてください。


(北海道立総合研究機構 農業研究本部 中央農業試験場提供)