CASE STUDY 02
富樫牧場(JA幌延町)

圃場毎にロール管理!草地の状態や乳成分で使い分けています

キーワード:サイレージ施肥設計粗飼料分析自給飼料草地更新
この記事は2024年11月29日に掲載された情報となります。

富樫牧場

富樫牧場(JA幌延町)

●DATA
搾乳牛頭数:70頭
個体乳量:33kg/頭
草地面積:約150ha(うち15haは放牧用)
飼料用トウモロコシ面積:作付け無し
飼養形態:つなぎ、放牧
給餌方法:分離給与

 

  • 牛が食う自給飼料づくりのポイントは?

●オーチャードグラスとチモシーの両方を作付けしており、収穫は6月上旬から始めて適期刈を心がけています。

●採草地は、搾乳用、育成・乾乳用、寝ワラ用と圃場で使い分けていて、毎年10ha程度更新も行っています。

●品質を安定させるため、収穫時はなるべく乾かすことを意識しており、また、乳酸菌の添加も行っています。

 

牛が食う自給飼料づくりのポイントは

 

  • 牛が食うために行っている工夫は?

●ロールは収穫時にカッティングしていますが、さらにロールカッターも使用して牛が食べやすいようにしています。

●ロールは朝晩で1日2回、配合は1日4回に分けて給与しています。

●常に牛の目の前に草があるように、牛舎ではエサ寄せを行ったり、放牧時にもロールを置いて、食えるものがない状況を作らないようにしています。

 

写真1圃場ごとに管理されたロール
写真1.圃場ごとに管理されたロール

 

●メインの配合飼料とエネルギー系飼料を粗飼料に合わせて調整しています。こまめに粗飼料分析を実施し、粗飼料成分値と乳成分を合わせて確認しながら配合の増減やロール(圃場)の変更を行っています。

●足腰強化と放牧に慣らす意図もかねて、育成から放牧に出しています。

 

  • 自給飼料の給与で苦労することは?

●「食わない草は作らない」をモットーにしていますがどうしても食わない時もあります。そんな時はすぐにロールの圃場を変えて対応しています。食わないロールも発酵期間を長くすると食い込めるようになることもあります。また、食わなかったロールの畑は翌年、育成の寝ワラや販売用の乾草に向けるなどしています。

 

取り組みの成果

●自給飼料の安定した品質と給与は良いことしかありません。特に飼料購入費の削減は大きいです。良い牧草は重要なたんぱく源だと考えていて、自給飼料は購入飼料よりも安価でメリットがあると実感しています。

潤沢な粗飼料の有効活用のため、規模拡大を考えています。販売するよりも自家消費ができたらと考えていて、搾乳牛には適さない草でも食わせられる和牛繁殖に興味を持っています。

今ある資源を有効活用してコストの低減に努めて、輸入品の価格に左右されにくい経営を目指したいと思っています。

 

※掲載ノウハウは個人の見解に基づくもので一般に該当しないケースもあります。