CASE STUDY 02
山口 潤一(JAひろお)

圃場ローテーションで計画的に更新

キーワード:牧草地牧草生産草地更新
この記事は2024年7月19日に掲載された情報となります。

山口 潤一
(JAひろお)

●DATA
経産牛頭数:搾乳140頭
草地面積:70ha
飼料用トウモロコシ面積:30ha
自力更新時の機械:プラウ、ハロー(ディスク、パワー)、ケンブリッジローラ、エアシーダ、ブリリオン、ブロキャス(自前)

 

  • 草地更新のペースは?

平均して年約10haのペースです。永年草地は例外ですが<牧草6~7年→ビート1年→サイレージ用トウモロコシ3年→牧草>というローテーションを組んでいます。悪くなった草地は早くローテーションを回しますが、良好な草地に維持できていてもこれ以上長く持たせることはしていません。草地が悪くなったかどうかの指標は牧草の収量。ダメになると同じ肥料をまいても全盛期の半分くらいになります。肥料をまき、草の伸び具合で更新する必要があるかどうか判断しています。

 

  • 草地更新時に大事にしている点は?

  • 春更新をメインにしています

●昔から春更新をメインに草地更新をしています。

●オオムギやエンバクの同伴栽培も実施。通常の更新より収量があり、雑草の侵入を防ぐ効果があると感じています。

●播種機はブリリオン。今年から牧草はケンブリッジに付けたエアシーダーで播種しています。

●作業スケジュールは、4月下旬に播種、1番草収穫は6月下旬。2番草は様子を見ながら行います。

 

大麦同伴栽培で更新した圃場

 

  • 丁寧に作業をしています

●牧草の播種は、1回播種で半量とし、2回に分けて行うようにしています。麦類まで含めると3回播種、その後鎮圧となります。そのために、前年秋に堆肥散布→耕起→ロータリーによる整地までをしています。

●これまで炭カルを多く施用し、土壌改良を行ってきました。改良後は、肥料の反応が良くなり、生産性が向上しました。

●作業をまてにやることが大事。やることをやらないでダメだったら悔いが残るので、時間がある限りは手間をかけることを心がけています。

 

  • 新しいことに挑戦し続けています

●昨年、チモシーが夏枯れしたため、チモシーだけでなく他草種の導入の必要性を実感し、今年からオーチャードグラスを導入しました。

●オーチャードグラスはリードカナリーグラス対策にもなり、CP(粗タンパク質)が高い点も魅力的だと思います。

●問題は労働力ですが、草地全体の1/3くらいなら3回刈できると考え挑戦しています。

 

取り組みの成果

自給飼料を最大限牛に食わすことが基本だと考えています。そのためにはやれることはやって、栄養分を多く含む粗飼料をたくさん与えられる体制を整えてます。同伴栽培も1つの手段と考えています。畑は毎年条件が異なることから、いつまでも勉強が必要。これからも自給飼料の生産性を上げるためにチャレンジすることを大事にしていきたいと思っています。

 

※掲載ノウハウは個人の見解に基づくもので一般に該当しないケースもあります。