この記事は2024年7月8日に掲載された情報となります。
シルバーにブルーのロゴでおなじみのフィラデルフィアクリームチーズ。紙箱に「北海道産生乳100%使用」と目立つよう表記されている200gタイプは、森永乳業株式会社の別海工場で製造されています。
森永乳業株式会社 マーケティング統括部
チーズ事業マーケティング部 佐藤 裕之 部長(右)
フィラデルフィアブランド担当 森川 奈緖美さん(左)
発売から54年のロングセラー
フィラデルフィアクリームチーズは米国クラフト社※との提携により、1970(昭和45)年に発売されました。当初は輸入品を販売していましたが、200gタイプは2011年から北海道産生乳を使用して別海工場で製造されるようになりました。その経緯について佐藤部長は、こう説明します。
「当時は飲用需要の伸び悩みを背景とした生乳需給が問題となっていたため、その解決策として、また国産ナチュラルチーズへの期待、将来の貿易自由化を見据えた対応などをきっかけに、国産化に切り替えました」
形状もレンガのような形のブリックタイプからカップタイプに変更され、より使いやすくなりました。
※現在はクラフトフーズ・グループ社とモンデリーズ・インターナショナル社に分社されました
クリームチーズの用途が多様に
フィラデルフィアクリームチーズは、北海道産の新鮮な生乳と生クリームをブレンドしたクリーミーでコクのある味わいが特徴。「濃厚でリッチな風味」に定評があります。
「細かな製造方法は申し上げにくいですが、ライセンス契約をしているので、商品の多くは製造技術やレシピを踏襲するかたちで製造しています」
以前は手作りチーズケーキの材料としての需要が中心でしたが、最近はより多様な用途に使われることが増えてきているようです。
「共働き世帯の増加や手軽に買えるコンビニスイーツなどの影響で、しばらく手作りチーズケーキの需要は減少傾向でしたが、コロナ禍のイエナカ消費で需要が回復。最近はパンに塗るスプレッド使用や調理のアレンジも増えています」
ブランドサイトでもさまざまなレシピを紹介。スイーツだけではなく、おつまみ、主菜、副菜、パン・ごはん・麺と、クリームチーズの新しいおいしさを幅広く提案しています。
酪農と乳業が手をたずさえて
製品は200gタイプに加え、2009年にプレーンの6ピースタイプ、2016年に3層仕立てのスライスタイプ、去年はレモン風味の6ピースタイプと、プロセスチーズとして商品ラインナップが増えています。
佐藤部長は「今後も健康・栄養トレンドを踏まえ、フレーバーや機能性でさまざまなニーズに対応すべく、商品の幅を広げていきたい」と語ります。
フィラデルフィアブランドを含め同社の家庭用チーズは、パルメザンチーズを除いて、すべて国内製造。ナチュラルチーズは別海工場で、プロセスチーズはグループ会社エムケーチーズの工場(神奈川県)で製造されているそうです。
北海道の生産者に向けたメッセージをお願いすると、佐藤部長は次のようなコメントを託してくれました。
「チーズに限らず、牛乳・乳製品づくりには安全で高品質な生乳の安定供給が不可欠です。当社もミルクサプライチェーンの一員として、貴重な北海道生乳を使用した魅力ある製品を提供し続け、酪農乳業界をともに発展させていければ、と考えています」
おいしい乳製品づくりにはこれからも酪農と乳業の強力なタッグが欠かせません。
フィラデルフィアクリームチーズの詳細はホームページをご覧ください>ホームページへ