この記事は2024年6月3日に掲載された情報となります。
ルールの意味を理解して、GAPのチェック項目を実践すれば「リスクの見える化」が可能です。ここにあげたのは代表的な例ですが、営農リスクを低減するためにも今一度、見直してみましょう。
掲載写真:JAグループGAP第三者認証取得支援事業より(食品品質・表示管理課提供)※04を除く
01.まずは不要なものを処分して倉庫を整理
倉庫や納屋に使っていない生産資材が置かれていると、必要なものが見つけづらかったり、間違いを誘発したり、転倒の危険性が高まったりします。不要なものは整理して、速やかに撤去しましょう。
02.農薬は保管スペースを決めて適切に管理を
農薬は漏れてしまうケースを想定し、液体を棚の下に、粉剤を棚の上に保管します。開封したボトルは横に寝かせずに立てて保存。万が一、液が漏れた場合に受けとめられる容量のトレーがあれば理想的。
03.倉庫の中で接触しないようゾーニング
スプレーヤの農薬残渣などが収穫用の機械やコンテナと接触すると、農作物が汚染される恐れが。不衛生による生物的要因、燃料など化学的要因のリスクを避けるため、用途に合わせた配置や動線を考えましょう。
04.肥料は使いやすく種類ごとに整理
肥料の袋はパレットを使うなど、種類ごとに整理。使いかけのものは袋ごとポリバケツなどに入れて識別管理します。在庫量が一目でわかるので、ムダな発注もなくなり、経費の削減につながります。
05.水を使った洗浄スペースを設置
機器の洗浄場所をあらかじめ決め、排水は圃場へ流入しないようにします。排水が蒸発または土壌浸透するよう貯留場所を用意する際は、地下水や周辺環境に影響がないよう確認を。
06.燃料タンクはしっかり固定して転倒防止
軽油や灯油のタンクは脚をアンカーボルトなどで固定し、万が一に備えた対策も検討しましょう。付近には可燃物を置かないようにし「火気厳禁」と目立つように掲示。周辺に消火器も設置します。
07.農薬保管場所には掲示と施錠危険物は注意喚起を忘れずに
劇物・毒物の保管場所は施錠して「医薬用外劇物」「医薬用外毒物」と掲示します。農薬や肥料によっては発熱するものもあるので、消火器も設置。ペットボトルなどに移し替えるのはルール違反です。
08.倉庫や作業場の蛍光灯は飛散防止タイプに
フォークリフトなどの倉庫作業で蛍光灯が割れてしまうと、ガラスが飛び散り異物が混入する危険性も。飛散防止タイプやLEDへの交換、または飛散防止のフィルムを使用するなどの対策をしましょう。
09.廃棄物は一時保管場所を決めておく
農薬の空容器や肥料袋、廃マルチ、作物残渣などの廃棄物は一時保管場所を決めておき、法律や地区のルールに従って適正に分別処分します。自然環境への負荷低減のため、リサイクルにも協力を。
10.緊急連絡網を用意して見やすい場所に掲示
病院、消防、保健所、農協など、万が一の場合の連絡先を整理して、従業員の目につく場所に掲示します。そのほか、注意事項なども一カ所にまとめて分かりやすく掲示しましょう。
11.圃場のマップを作成して情報を共有
圃場の危険箇所や特徴をマップに落とし込み、家族や従業員と共有します。危ない場所には注意喚起の掲示をし、道路への出入口なども明らかにして、事故を未然に防ぎます。
12.道具類は定位置を決めて適宜メンテナンスを
収穫用のはさみや包丁を複数の従業員が使う場合は、使用者を指定し、保管場所を明確にします。また機械や用具の清掃やメンテナンスは、手順や頻度をマニュアル化。取扱説明書も常備しましょう。