この記事は2019年10月1日に掲載された情報となります。
両親と3人でブロッコリー、小麦、大豆、馬鈴しょ、かぼちゃ、花を生産する江別市の荻野慎也さん。
トラクターや作業機類は自分で整備している荻野さんにセルフメンテナンスのメリットについて教えてもらいました。
江別市 荻野 慎也さん
28歳で会社員を辞め、8年前に親元で働き始めた荻野慎也さん。就農2年目にトラクターを壊した苦い経験があります。
「キーキーと音がするな、と思いつつ、そのまま使い続けていたら、結局クローラの内側をまるごと交換する羽目になりました」
修理費用は80万円ほど。以来、グリースアップはもちろん、オイル交換やエアクリーナのフィルタ清掃なども、自分でこまめにするようになりました。
「改めて取扱説明書を読んでみたら、何十時間ごとにここを点検しなさいという一覧表がある。それを参考に手入れをするようにしました」
農作業が落ち着く冬には、オーバーホールに挑戦したことも。
「10年使った防除機の調子が悪いので、メーカーから展開図を送ってもらいバラバラに分解。交換部品を取り寄せて自分で組み立ててみました。コンピュータなどの電気系は不安ですが、大きなネジで組んであるものなら、プラモデル感覚で素人でもできますよ」
機械の構造を理解すれば「調子が悪い原因は、もしかしてここかな、と気づけるようになる」のだそう。たとえ自分で直せなくなっても、冬ならメーカーに依頼する時間もあります。
万が一のトラブルに備え、ロータリーの爪やコンバインのベルトなど予備の部品も用意。ワックス入りのシャンプーで洗車してサビを防ぐなど、常に農機を大切に扱っています。
「機械にかかる経費は仕方ないと思ってしまいがちですが、メーカー任せにせず、自分でメンテナンスすれば、寿命も伸びるし費用を節約できる。トラブルが減り、作業も予定通り進みますよ」
時間があれば洗車するという荻野さん。倉庫にはピカピカに磨かれたトラクターが並んでいました。