この記事は2018年2月1日に掲載された情報となります。
ホクレン 肥料農薬部 技術普及課
POINT!
①移植前のハードニングは必ず2回行ってください。
②移植直前の最終かん水は1枚あたり0.7ℓを上限に行ってください。
たまねぎ用育苗培土「オニオンエースPアップ」は、従来の培土「オニオンエース」よりリン酸量が多く、収量を落とさずに本圃のリン酸施肥量を10aあたり10kg削減できる培土です。
オニオンエースやオニオンエースPアップには苗が移植に十分な強度を得るための固化剤(のり)が入っています。は種から移植まで、固化剤に合わせたかん水管理が重要です。
かん水のポイント
Step1 種〜発芽
トレイが置床に密着するように設置し、霧状になるノズルでかん水します。初回かん水が多すぎると発芽不良が発生することがありますので、かん水量を守ってください。
発芽が揃うまではシルバーで被覆し、発芽が揃ったらシルバーを除去して、ポット内を十分に濡らします(0.5ℓ/枚)。
Step2 発芽〜生育2葉目
苗の生育に合わせて徐々にかん水間隔を空け、かん水と乾燥を繰り返すことで、固化剤が培土を固めブロックを強くします。(強く乾燥しすぎると苗の生育に影響するので注意してください。)
Step3 ハードニング
移植予定日からさかのぼって計画を立て、培土の完全乾燥(ハードニング)を必ず2回行います。ハードニングが1回だけでは、ブロックが弱くなるおそれがあります。
同じハウスでも、場所によって乾燥状態が異なるため、ハウスの数箇所でブロックの乾燥状態を確認してください。
Step4 移植直前の最終かん水
最終かん水は1枚あたり0.7ℓを上限におこなってください。かん水量が多いとブロックが弱くなり移植に適しません。
オニオンエースPアップ使用上の注意
①オニオンエースPアップは高濃度のリン酸を含むため、発芽および途中の生育が従来の培土より遅れる場合がありますが、移植までには回復します。
②オニオンエースPアップは従来の培土よりもブロック強度が弱い傾向があります。移植前のブロック確認や、移植機の試運転を実施してください。
オニオンエースPアップを使用した育苗に関しては、JA・ホクレン・製造メーカー(片倉コープアグリ)で十分なフォロー体制を心がけています。ご不明な点などご相談ください。